HP部屋

□素直な人
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「…ったく遅いな…何やってんだ、あいつは…」
しばらく、シリウスと『注射』について話しをした後、突然ジェームスがボソリと呟いた。
「なんだ、誰かと待ち合わせか?エバンスじゃないだろうな?」
無理やり図書館に引っ張ってこられたシリウスが投げやりに応じた。
「そんな事に人を巻き込んだとは言わせないぞ?」
余り図書室という場所が好きではないのか、シリウスの機嫌は悪そうだ。
「あぁ、いや。別に待ち合わせって訳じゃないんだが…」
心持、気まずそうにジェームスが囁き、なにやらブツクサと誰にも聞き取れないような声で文句を言い出した。

「(あぁ、そうか…)」
怪訝そうに顔をしかめるシリウスとは違い、リーマスは何かに思い当たったようだ。
「(彼を待っているのか…)」
リーマスは人知れず、笑みを零した。

―――ガラリ

そんな3人の気まずい沈黙を待っていたかのように図書室のドアが開く。
待ってました、とばかりに椅子を倒さん勢いで立ち上がるジェームス。
対して「あ?」とチンピラのような顔で振り向くシリウス。
そんな二人を苦笑いしながら見つめるリーマス。

そして扉を開けた当の本人、セブルス・スネイプは三人の姿を認めると「げっ」とばかりに思いっきり顔をしかめた。
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