HP部屋
□I trust you
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「僕にはグリムが取り憑いてるんだってさ」
ややふて腐れたような口調でハリーはスネイプに呟いた。
ここは、地下にあるスネイプの研究室。
初めて占い学の授業を受けた日の夜、ハリーはいつものようにスネイプの研究室に訪れ、出された紅茶を一気に飲み干すと、スネイプに今日の出来事を打ち明けた。
「僕が死んだら、先生泣いてくれる?」
やや投げやりな口調。
いきなり初対面で「あなたは死ぬ」などと言われたら、さすがに気分が悪い。
信じる、信じない以前の問題だ。
「あの女は想像力は豊かだが、人を思いやる想像力は欠けている。毎年、死ぬと予言される生徒は大勢いるが今まで本当に死んだ奴などおらん」
珍しく怒っているハリーを宥めるため、スネイプなりに言葉を選びながらゆっくりと告げる。
仕事の手を休め、ハリーの座っている3人掛けのソファーに腰掛けた。
「うん、マクゴナガル先生もそう言ってた」
そう言うハリーの表情は未だ晴れない。