HP部屋

□素直な人
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「あ〜…退屈だ…」
図書室の机に、だら〜んと上半身をもたげながらジェームスが呟いた。
「試験も終わって、することもないしな」
椅子の後ろに重心を掛け、椅子の前足を浮かせのんびりともたれ掛かりながら、シリウスが同意した。
「暇なら別に寮の談話室にいればいいじゃないか。ワームテールが寂しがっているよ」
試験が終わったにも関わらず、本を読みながらリーマスは小声で囁いた。
図書室にいるにも関わらず、大声で話す二人にやや呆れ顔だ。
試験明けで他の生徒の姿は無く、司書官の咎めるような視線は自然三人に集中していた。

「知るかよ。大体ワームテールの奴、何だって寝込んでるんだ?」
ジェームスがまるで関心なさげに、手の中にあるスニッチを弄びながら、口を開いた。
「大方、試験が終わってホッとした途端に熱出したんだろ」
シリウスも余り興味は無さそうだ。
「さっさと医務室行きゃいいのに…」
まるで理解が出来ない、とばかりに髪をくしゃっとかき上げながらジェームスが頭を振る。
「注射が怖いんだと」
「何だよ?注射って?」
「マグルの治療法。ワームテールにそういう治療法があるらしいって教えてやったら、何を勘違いしたんだか脅える様になった」
「勘違いするような言い方したんだろ?」
「まあな」
そう言って、二人で視線を合わせると、ニヤリと笑った。
そんな二人を呆れた眼差しで見やりながら、リーマスはため息をついた。
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