DS部屋

□闇の運命(後編)
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「うっ…」
まだ耳の奥が痛みに震える。
丘から転げ落ちたらしく、あちこち擦り剥き体中が血にまみれ、軋んでいた。
ダレンが気付いた時には孤児院からは大分離れてしまっていた。

必死に立ち上がろうとするが、体が押し潰されているように重く動かない。
「…っ!!スティーブ!!」
ようやく頭がハッキリして、状況が飲み込めてくる。
体が重く、動かないのは当たり前だ。
スティーブがダレンを庇う様にして覆いかぶさっている。

「スティーブっ!なぁ、スティーブ!!」
肩を揺さぶると、ゆっくりと血が滴り落ちてくる。
慌てて手を離すと、ダレンの手にはスティーブの血がべったりとこびり付いていた。

「嫌だっ!!スティーブ!!ねぇ!!」
必死にスティーブの下から這い出ると、ダレンはスティーブを仰向けにしてなんとか気道を確保する。
スティーブの顔色は生気を失ったかのように真っ青だ。
一刻を争うかもしれない。

ダレンは思いっきり息を吸い込むと、スティーブに口付け、最後の一息までスティーブに注ぎ込んだ。
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