HP部屋
□I trust you
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「あの女の占いは100%当たらない。死ぬと言われたのなら100%死なないだろう」
そんなハリーの気持ちを少しでも軽くしてやろうと、スネイプは同僚の教師をまたもや『あの女』呼ばわりし、授業の非難めいた事まで口にした。
「うん…でも…」
ふとハリーがうつむく。
「今度は本当に当たるかも…」
そう言うと、ハリーは深くため息をついた。
実際、ハリーは今学期が始まる前に、黒犬―グリム―を見掛けていたし、さらに脱獄犯シリウス・ブラックがハリーの命を狙っているという噂は周知の事実だ。
唯でさえ不安な気持ちでいるハリーの気持ちを、どん底までに突き落とすには、これほどうってつけの予言は無いだろう。
怒りが解け、不安に顔を曇らすハリーをスネイプは無言で抱き寄せる。
ハリーも一瞬、躊躇は見せたものの、大人しくスネイプの腕の中に身を寄せた。
どくん、どくん、と脈打つスネイプの鼓動が心地いい。