08/30の日記
01:19
明日は…
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01:18
第三十話
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赤也は不二と千石によって、近くの大学病院に運び込まれた。
手術室の明かりはもう数時間もついたままだ。
部屋の前には、侑士と千石が座っていた。
「侑士くん…逃げるなら、不二がいない今だよ?」
千石の言葉を聞いていないのか、侑士は黙ったままだった。
「ま、一階の受付のパソコンでも使って偽の身分証明書でも造ってるんだろうけどねぃ…。」
千石は、俯いたままの侑士を見ながら深い溜息を付いた。
「それにしても…侑士くんそれしかなかったとはいえ、似合ってるねそのスカート…。まぁ元着てた服は不二が破っちゃうしね…。」
侑士は、女遊びの激しい千石の昔の彼女が置いて行ったであろう女物の服を着ていた。
淡いクリーム色のワンピースに、千石の上着を羽織っていた。
「……自由になりたかったんじゃないかな…。」
千石の言葉に、侑士は涙を堪えるように強瞳を閉じた。
「俺が悪いんや…。赤也は榊を嫌っとった…。赤也は…みんなとも話さんから、馴染めなくって…ただでさえ小さい頃から毎日勉強勉強…プロの暗殺者になるために…。出来んもんは死ぬ、単純やからこそ恐いんや。赤也は普段は大人しい子やった…せやけど一回スイッチが入ると俺にも止められん程の卑劣な暗殺者になるんや…けど、きっとそれは、赤也のこの恐ろしい現実から逃げたいっちゅー思いが作り出したもう一つの人格だったんやな…。俺…気付いてやれんかった。」
「侑士くん…。」
その時、手術室の明かりが消え、医者が部屋からでてきた。
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