06/18の日記

23:21
ロミオ†ジュリエット
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それからすぐに計画は実行された。何故ならば、侑士の結婚がせまっていたから。




「本当にいのですね?」
神父のその質問にも、侑士は深くうなづいた。
「愛があるならば、神のご慈悲もあるはずやから・・・」
侑士はそう言って、教会を後にした。

侑士が死んだ。
そう聞いたのは、その数時間後。
神父は、重い腰を上げた。
「神よ、やはりこれはあなたへの誓いを裏切る行為に値するのかもしれない・・・。けど僕は・・・。あの人が望むことをかなえてあげたいと強く思ってしまうのです。そうっです、すでにあの二人の同姓で愛し合うという時点で二人は罪を犯しているのかもしれません。ですが、神よ、何故愛し合っているものが一緒になってはいけないのでしょう。世間体や家の繁栄を望むものたちによって、何故二人が犠牲になるのでしょう。私は、あの二人の計画に手を貸します。同姓での愛という、神によって禁じられた愛だとしても、周囲の反対を押しのけ、死んだという偽りの芝居をうつことも、もう何の留め金にもなりません。彼らを幸せにしたい、愛し合ってほしいという僕の思いすらすでに博愛主義などという思いやりなどでなく、ただの僕のエゴ・・・。そう、僕の利己的な欲望でしかないのでしょう。神よ、あなたもあの侑士という少年をご覧になったでしょう!あの澄んだ美しい瞳。あの瞳が穢れて
しまうことが怖いのです。あの少年に美しいままでいてほしいという僕のエゴ。・・・やはり僕も、ただの愚かな人間でしかないのです。神よ、そんな僕をお笑いになりますか。一度はあなたに忠誠を誓った僕ですが、もうあなたのもとにお使いする資格はありません。」

神父は頭を下げると、首に下げていた十字架をそっとはずし、教会を後にした。
死んだはずの少年を、




迎えにいくために・・・。

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