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□頑張れ謙也君!!
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十年前


「俺、侑士の事めっちゃ好きやで!」

「俺も謙也んこと大好きや…//」

幼稚園に入ったばかりの頃、公園で遊んでいたある日のこと。
俺は、侑士と約束したんや。

「ほな、侑士は俺のお嫁さんになってや!」
「えぇよ。…約束な?」

そう言って俺らは指切りしたんや。
侑士はいつのまにか引っ越して…

いつのまにかもう十年も達て…俺らは中学生になっとった。

全国テニスで侑士に会える。

俺は猛烈にテニスを頑張った。まぁもともと侑士より出来たけどな。
そして遂に全国…!
久しぶりに侑士に会える!
未来の嫁さんの侑士に会える…!!

俺は喜び勇んで会場に行った…





……って、何やのこれ…。

どういう事なん…?

侑士…。

説明しろや…。



俺の目の前に広がる光景。
それは…

くるくる髪の男を膝枕して、背中に紫色の髪のちっこい男を絡ませ、泣きぼくろのブルジョア男に肩を抱かれ、目の前の帽子男の髪を櫛で梳かし、銀髪の長身男に笑顔を向けている…侑士の姿。
おまけに後ろのすみっこにいるキノコ野郎が熱っぽい目で侑士を見てやがる……。

侑士…
俺のいないところで、何うつつぬかしとんのや…!!
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