忍受小説
□日々草
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火葬も済み,小さくなった親友は少しずつ皆の前から姿を消し,小さな陶器の箱に納まり,母親の手に抱かれていた。
誰もいなくなったそこに,雪のように散った友を小さなガラスビンに詰めた。
「窮屈かもしんねぇけど,お前のものは残して行きたくねぇんだ。」
ビンにそっとキスを落とした。
そして確信した…自分はあの親友を,忍足侑士という友を,愛していた事に。
大粒の涙が,頬を伝った。
だがもう伝える術はなく,涙は静かに床へと落ちていった…。
「侑士,愛してる…。」
跡部は泣いた。
もう泣くことしかできなかった。涙はとめどなく流れた。