忍受小説

□2006☆クリスマス企画
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☆恋人はサンタクロース☆
(鳳忍)

昔,ご近所の美人なお姉さんが言っていた…
うちにはサンタクロースが来るんだって…。

子供の頃は嘘だと思っていたけど,今夜うちにも…背の高いかっこいくて優しいサンタクロースが…



「来ない…!!約束の5時とっくに過ぎてんのに全然来ないやんか!!」

ただ今,夜7時。
忍足侑士14歳は小さなアパートで一人,愛しの彼を待っていた。

「もう約束の時間から2時間はすぎとるやん!!」

愛しの彼氏長太郎の携帯は何時かけても連絡がとれず,やつれを切らした侑士は重い腰を持ち上げた。




*******


「全く…何やっとるかと思えば…∪」



「メリークリスマス!」

「わーい!プレゼントだぁ!」

「メリークリスマス!」

「ありがとうサンタさんっ!」

なんとまあ道端で,サンタにふんした長太郎が子供達にプレゼントを配っていた。そういえば長太郎の家も跡部級の金持ちだったな…とか侑士は片隅で思い出していた。

「長太郎」

「わっ忍足先輩!?」

侑士の声に驚いたサンタ…じゃなくて長太郎は振り返った拍子にプレゼントの入っていた袋を落とし,子供たちがそれに群がった。


「ったく長太郎こんな所で何しとんねん!!もう約束の時間から2時間以上たってんねんで!!」

怒る侑士に,長太郎は大きな体を小さくしてすまなそうに頭を下げた。

「すっ…すみません!!この恰好で先輩んちに行こうと思ったら,子供達に捕まってしまって…。」

「アホかっ!!そんなんうちで着替えればえぇやんか!!」

「で…でも,今日はサンタでプレゼントが…」

長太郎は怒られる子供みたいに,目をそらしながらポケットから小さな箱を取り出した。

「メリークリスマス!!!」

侑士は目を細めながら,その箱の紐をといた。
でてきたものは…

「指輪やん…//」

「俺が,中学卒業するまで待ってて下さい!!必ず迎えにいきますから!」

「長……太郎!!」






「ママー,あそこでサンタクロースとお兄さんがチューしてる」



ラブ甘おわし
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