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□2006☆クリスマス企画
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テニスバカ一代
(宍忍)
本日はクリスマス。
ロマンチックイベントが大好きな侑士君は,さっそく恋人の宍戸の家を押しかけました。
「なぁ宍戸,今日何の日だか知っとる?」
「あぁ……キリストが生まれた日だろ?」
「そうや…。」
「………。」
「…………。」
「何で!!それだけかぃなっ!!」
「あ゛?他に何があるってんだよ。キリストが生まれた日だろ?長太郎が言ってたぜ。ほら,暇ならストテニ行くぞ」
さっさとラケットを持って用意をしてしまっている宍戸にはロマンチックのかけらもありません…
「し…宍戸のアホ!!今日はクリスマスなんやで!!俺だって…俺だって男やけど,恋人とラブ×2したいやんかぁ!!」
突然の侑士の大声に宍戸が驚いて振り返ると,目を潤ませて頬をあかくして訴える侑士の姿がありました。
「ったく……。」
宍戸はラケットを置くと,侑士の頭をがしがしと撫でました。
「っ…だからよ,俺そーゆーてめぇの好きなラブロマ系とかよくわかんねぇんだよ…。でも,クリスマスに二人だけでテニスっていうのじゃダメか…?」
「…二人だけ?」
「あぁ。毎年クリスマスになるとあのストテニ誰もこねぇんだよ。」
「………宍戸,毎年あのストテニに行ってたん?」
「あぁ…。」
「毎年?」
「あぁ…。」
「一人で…?」
「そーだよ。…わるかったなテニス馬鹿で彼女の一人もいなかったんだよ!」
すると侑士は泣きだしました。
「…!?なっ…テニスじゃ嫌なのかよ?!嫌なら言え…」
「違うんっ!!」
侑士の涙に慌てる宍戸に,侑士は思わず抱き着きました。
「俺が,宍戸がクリスマスにストテニに連れていく初めての人になるんやね…?」
「……まぁ,そうだけどよ……」
「嬉しいわ。ほな,ぐすぐずせんと用意し!」
侑士は涙を拭うと用意を始めました。
パコーン
パコーン
ストテニには,仲良く打ち合う二人の姿がありました。
「ちなみに大晦日もあいてるんだぜ?」
「…しゃーなぃなぁ//」
こうして二人は愛を深めていくのでありました。