忍受小説

□-GAME-
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「アッ……ッ…ハァ…アァ…」
柔らかいピンクの色に包まれた室内に響く若い男女の喘ぎ声。
先程知り合った二人はまるで貪るように体を交わらせた。

「なぁ、もっとイイところにイツてみないか…?」

男は汗を飛び散らせながら世話しなく体を揺すり、女に問い掛ける。快楽に溺れた女は小さく頷く。女の悲鳴に似た喘ぎを、男は彼女の首を絞める事で封じ篭めた。



ここ数年前からメディアを騒がせているを都内で起こる謎の連続殺人事件。
その犯人を捕まえるべく作られた班を指揮する事になったのが、若く腕のある忍足侑士と幼なじみの白石蔵ノ介だった。

「またやられた…!!」

二人がこの任務を任されて三日目、早速事件が起きた。二人が勤務する警察署から程遠くない無人のラブホテルで女性の死体が発見されたのだ。
死因は頚部圧迫による窒息死。ベッドの上で淫らに両足を開いた一糸纏わぬ女の顔は微笑んでいる。

被害者は、過去何らかの犯罪歴を持っている。
これが、連続殺人魔の手口であった。


「今までのファイルを見ても、どれも大胆な行動ばっかりや…被害者に体液まで残して…なのに、目撃しとる奴が一人もおらんなんて、おかしすぎやろっ…」

捜査に息詰まり、デスクに突っ伏した侑士の前にいれられたばかりのコーヒーが差し出された。

「まぁ、そんな焦っても解決せんやろ。気長にいこうや?」

ぐったりする侑士の頭を撫でながら蔵ノ介はコーヒーカップに口をつけた。

「蔵ノ介は何でそないにゆっくりしとんねん!!もぅ人が何人も殺されてんねんで!!こうして俺らがのうのうとしてる間にも、奴がまた犯罪に手を染めてるかもしれないんやで!!」

声を荒げる侑士に、蔵ノ介は苦笑いを浮かべ、コーヒーを啜った。

「そない焦っても事件は解決せん。そういう時こそ、敵は案外近くにいるもんや。とにかく落ち着き」
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