短編集
□light of firefly
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何かに気付けば
世界はたやすく変えられる。
*light of firefly*
人々が眠り、徐々に街の灯りが消えていく。
昼間の賑やか声も無く、全開にした窓から入ってきた真冬の冷えた夜風が白いカーテンを弄ぶ。
それをベットの上から、ただ眺める。
消灯時間をとうに過ぎ、これ以外することがない。と言っても、こんなので暇が潰せるほど僕は変人じゃない。
……「変わり者」って言われることはあるけど。
「はぁ。つまんねーな、ここ」
こことは、病院のことだ。
独特の消毒液の香
押し潰されそうなほどの白
不自由な生活。
全てがつまらないものだった。
眺めるのに飽き、カーテンから窓の外に視線を移した。
そこの窓から落ちればつまらない時間を終わらすことも出来るが
きっと、それは、かなりナンセンスなことだ。
どうせ、終わる命。
それを恐い思いをしてまで終わらす必要もない。
―――それに、ここ二階だし。
「はぁ〜。」
まさに前途多難です。
とりあえず、ここの選択肢は寝ることしかないようなのでそうします。
ベットから降り、全開の窓を閉じようと手を伸ばす。
その時だった。
「…………」
僕は言葉を失った。
星空が、あまりにも、綺麗だったから。
沢山の宝石をちりばめたような輝かしさじゃなくて
ホタルの光みたいな、神秘的な輝き。
呼吸と言うごく当たり前の行為も奪われるほど、見とれてしまった。
そして、もっと近くで見たくなった。
「よしっ」
早速、隠しておいた私服とスニーカーを着用する。
思い立ったが吉日、即行動。
だって、残された時間には限りがあるから
+ + + + + +
鳥籠から抜け出した鳥は
空へ向かって羽ばたいた
冷たい風に身を切られようとも
羽ばたくことを止めなかった
その命が尽きるまで
>>>アトガキ>>