短編集
□空の宝石と小さなボクラ
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「にーちゃん、まだつかないの?」
夜の山道を歩く小さな子供は振り向き、地図を広げている少年に言いました。
「ん〜、まだ先みたい」
少年は地図と数秒にらめっこをしたあとに、そう答えました。
少年が見ていたその地図は、クレヨンで書かれた『空の宝石のありか』と×印があり、それを除けば市販の地図となにも変わりません。
そんな二人が歩く道は誰もいないく真っ暗で、明かりと言えば頭上に煌めく星々と満月。
それと、子供達が持つ懐中電灯だけでした。
☆〜☆〜★〜☆〜☆
×印を目指して歩き続けていくつかの時間が過ぎた頃。幼い二人の足取りは重くなっていました。
「ねぇ、にーちゃん。もう帰ろうょ…」
小さな子供は少年の服を掴みながら言いました。
本当は、少年も帰りたい気持ちでいっぱいでした。
なぜなら・・・
その小さな身体は、角度のある道のせいで疲れ
その小さな心は、夜の暗闇に怯えていました。
そして少年は言います。