Story of CCFF7

□Mission:008
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※ ※ ※
――ある日のソルジャー・フロア。

ザックス「――アンジール。
戦争が終わったぞ。
皆喜んでる。
でも…俺は…」

――あのバノーラ村での調査後。
リエールから、自身とジェネシスとの関係についての説明はしてもらえたものの、それ以上のことについては一切教えてもらうことはできなかった。

彼女いわく、彼女の探す『女神の贈り物』――
それが何なのか、どこにあるのかさえもはっきりしていないようで、それを探していることはセフィロスには言わないようにと、彼女からきつく口止めもされてしまい。

そんなもやもやとした胸中のザックスの脳裏に思い起こされるのは、アンジールの母の言葉と、在りし日の友だったアンジールの言葉――

ジリアン『その剣は我が家の誇りなの』
アンジール『その剣よりもお前の方が大事だ。
ほんの少し、な』

ザックス「…どこ行っちまったんだよ…」
そんな風に一人物思いにふける彼に、現実へと呼び覚ますように携帯電話が鳴り響く。
ザックス「はい、ザックス」
セフィロス『久しぶりだな、ザックス』
ザックス「セフィロス?!」
セフィロス『ラザードの部屋へ来い』
ザックス「わ、わかった」


※ ※ ※
――ソルジャー司令室。

セフィロスに呼ばれたザックスが司令室へ現れると、そこにはなにやら資料を見つめるセフィロスとファイルを胸に抱いたリエール、席にはラザードが構えており、彼の登場を待ちわびていたようだった。

ザックス「(リエール――)」
リエール「……………」

リエールとの微妙な空気を感じながらも、ザックスが今度はどんな厄介な任務を任されるのかと、渋々ラザードの前に立つと。

ラザード「――おめでとう。
君は本日付で、ソルジャークラス1stに昇格だ」
リエール「ザックス、とうとうやったわね。
これで今から英雄への道、猫まっしぐらね」
リエールがそばに駆け寄り、彼の肩に手を添えていつもどおり調子よくウインクするが――
あれほど1st昇進を期待していた彼の割には、なぜか反応は薄い。
リエール「あら?
どうしたの?」
ザックス「――あんまり嬉しくない」
ザックスの感想につかの間の沈黙の後。
ラザードが言葉を紡ぐ。
ラザード「…無理もない。
色々な事がありすぎた。
…そこでザックス、さっそく君に頼みたいことがある」
それならばなぜここにセフィロスがいるのか――
先日のバノーラ村での任務を思い起こし、
ザックス「…また俺に任務を押し付けるつもりか?」
彼はセフィロスに厳しい視線を送る。
セフィロス「…悪かった」
リエール「ちょっとザックス、あんまりセフィロス苛めないでよ。
しょうがないじゃない、事情が事情だったんだから…。
ね、セフィロス」
セフィロス「…………」
ザックス「…いいけど」

ラザード「さて任務の内容だが…。
その前にザックス…1stの服に着替えてきてくれ」

――そして着替えを済ませたザックスが再度司令室へと姿を見せると。
リエール「あら、結構らしいじゃない。
中身が進歩なしの2ndのままじゃ困るけど」
彼女の言葉にセフィロスがふっと軽く笑う。
ザックス「笑うなよ、セフィロス!」
セフィロス「…悪気はない」
ザックス「ったく…リエールはいつも一言多いよな」
リエール「あら、私は真実をそのまま述べただけだけど?」
ザックス「それが余計だっつの」

ラザード「…取り込み中悪いが、さっそく本題に入らせてもらって構わないかな」
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