Story of CCFF7

□Mission:009
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※ ※ ※
――伍番魔晄炉内・謎の研究施設。

セフィロス「…哀れだな」
何かのポッドを見つけた彼がそれを見つめて一人そう呟く傍らで、既にリエールは施設内にばら撒かれた資料を手に黙読している。

そんな中で、ザックスが見つけた資料には以下のように記されていた。

『プロジェクト・G実験概要。
人間の胎児に古代種の細胞を埋め込み、古代種の能力を得ることを目的とする』

『ソルジャーの劣化現象に関する報告。
ソルジャーの能力は様々な要素が絶妙なバランスを保つことで維持される。
バランスの変化は因子情報の流出が考えられるが、通常は起こり得ない。
この変化はG系ソルジャー特有のものである』

ザックス「…頭、クラクラする」
資料を読み、額に手を添えるザックスが苦渋の色を浮かべるその横では、リエールが彼に近づき、資料に目を通した彼女がその内容を要約する。

リエール「――要するに、ジェネシス・コピーについては細胞レベルでのバランスが崩れたとき、通常ではあり得ない『劣化』という特別な変化が起こる…ってことよ」

ザックス「…なるほどねぇ」
リエール「…本当に理解してる?」
リエールが呆れたように疑惑の瞳をザックスに向ける。
ザックス「と、当然だろ!」
――そこへセフィロスが歩み寄り、あのトレーニングルームでのジェネシス負傷事件の続きを語る。

セフィロス「――ジェネシスが姿を消す前だった」


※ ※ ※
…怪我は軽いはずだった。
だが、何故かジェネシスの回復は遅れ――
その時、ジェネシスの治療をしたのが、ホランダーだった。

――治療室前。
ジェネシスの回復を待つセフィロス・リエール・アンジールだったが、そこにホランダーが姿を見せ。
アンジール「ホランダー博士。
ジェネシスの容態は…!」
3人がホランダーの前に集まり、ホランダーはその詳細を彼らに話す。
ホランダー「腕の傷から魔晄が入ったのがよくなかったようだ」
アンジール「…治療法はないのか」
困惑するアンジールが問いかける。
ホランダー「まず、輸血が必要だ」
そこにセフィロスが「俺が」と前に乗り出し、アンジールもまた「いや、俺が」と言わんばかりに前に出るが…。
リエール「博士、私でも…ダメでしょうか」
そう問いかけるリエールを前に、彼らの思いを察した博士は切なげな表情でやんわりと告げた。

ホランダー「君たちでは…ダメなんだ」

ホランダーのあとにアンジールが続いて部屋に入り、扉の前で落ち込むセフィロスと沈黙するリエール――

リエール「セフィロス…」
セフィロス「……………」


※ ※ ※
――伍番魔晄炉内・謎の施設。

セフィロス「あの時…なぜ俺ではダメだったのか――」
友の力になれなかったことを悔やみ、どこか寂しげにそうごちる彼に、リエールがそっと彼の腕をとって寄り添い、言葉を紡ぐ。
リエール「…セフィロス、私もダメだったんだもの。
きっとアンジールだけがたまたま血液型があった――
ただそれだけの話よ。
あなたが落ち込むことなんてないわ」
セフィロス「……そうだろうか」

セフィロスは目の前のポッドを見て静かに呟く。

セフィロス「G系ソルジャー…か」

…だが、ミッドガル八番街襲撃後、リエールの前に現れたジェネシスは、この時の真実をこのプロジェクト・Gの真相と共に既に彼女に告げており、覆い隠された真実を抱くリエールがそれ以上、それらを彼らに話すことはできなかった。

真実を語れば――
セフィロスまでもが自分のそばから離れていきそうで、そんな不安がこの胸を離れないからで、話したらセフィロスはきっと傷つくだろう――そう思ったからだった。

それと同時に、焦りも募る。
ジェネシスの劣化を治せる唯一のもの――
『女神の贈り物』はまだ手にしてはいない。

そもそも『女神の贈り物』――
その正体は何なのか?
どこにあってどうやって手に入れればよいのか?

任務の傍ら、それをただ一人ひたすら探し続けていたリエールだったが、いまだに見つけられないままにただ過ぎていく時間の中で、徐々に彼女の思考は錯乱する。
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