Story of CCFF7

□Mission:011
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※ ※ ※
科学部門統括フロア。

リエール「いたわ、ザックス」
ザックス「博士は…と、よかった。
無事か」
宝条「静かにしてくれないかね」
リエール「博士、現在本社内は厳戒態勢ランクSに入っています」
ザックス「今、ジェネシス軍に攻撃されているんだ。
敵の狙いは宝条博士かもしれない」
宝条「…それで君たちが私の護衛か」
リエール「(相変わらずヤなオヤジ…)」
ずいぶん前にもリエールはこの宝条に解毒の治療を施してもらった経緯があるのだが、元々かなりのマッドサイエンティストだという話も聞いていることから、ずっと嫌悪感と不信感を抱いているリエールは内心でそう毒づく。
セフィロスがあんな言い方をするのも充分理解し得る。
しかしそれが、セフィロス出生にかかわるある最重要人物であることを知らないまま――
ザックス「とにかく、一緒に非難してくれないか?」
その直後、腹を抱えるように背を丸めて「クックックックッ…」と不気味に笑った後。
宝条は無感情に言い放つ。
宝条「劣化するモンスターなど恐れることはない」
リエール「何ですって……?」
その一言に、リエールの怒りのバロメーターが俄かに蓄積される。
それは隣にいるザックスも同様だった。
ザックス「…それ、ジェネシスのことを言っているのか?」
宝条「そのとおり」
彼は何かの実験結果の書類を片手に二人に向き直り、しゃあしゃあと告げてみせる。
宝条「空からきた未知の生命体を古代種だと思い込んでいた愚かな時代の産物だ」
リエール「…ジェノバ・プロジェクトのことね?」
彼女は確信したその実験の総称を口にする。
宝条「さすがレディ・セフィロス。
例のプロジェクトのことを知っているか。
史上最年少でソルジャーとしてこの神羅に入社してからはセフィロスたちに色々と無駄な知識を叩き込まれたようだな」
リエール「…御託はいいわ」
ザックス「なあ、そのナントカプロジェクトって…未知の生命体ってなんだよ」
リエール「ほら、前に伍番魔晄炉奥の研究施設にあった資料、読んだでしょ?」
ザックス「あ、ああ……」
確かに読んだという記憶はあるが、はっきり言ってその内容までは難しすぎてほとんど覚えていない。
そこに宝条が付け加える。
宝条「未知の生命体とは――
空から来た災厄、ジェノバ」
ザックス「ええと…」
宝条「ふん、知らずとも問題ない。
何も考えずに私と言う頭脳を護るのがソルジャーの役目だ。
特にリエール、お前は少々要らぬ知識に踏み入りすぎたようだな」
リエール「…………」
ザックス「リエール…?」
しばし押し黙るリエールに、ザックスは不可解な疑問の色で彼女を見つめるが、おそらくここで詳細を問うても、彼女が口を割ることはないだろう。
だが、明らかに何か知っているような雰囲気であるが、それを裂く術を彼女は決して与えようとはしなかった。
リエール「…ヤな仕事だけど、さっさと終わらせましょう」
ザックス「あ、ああ…」
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