Story of CCFF7

□Mission:002
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――リエールが猛毒で倒れてから数日後。

セフィロスたちが持ち帰ってきた解毒剤…もとい解毒香のおかげで完治を果たしたリエールは、今までの遅れを取り戻すため、トレーニングルームの機能で二次元映像化された神羅カンパニーの屋上らしき夕陽の佇む最上階で、アンジールを相手に剣の稽古をつけてもらっていた。

まさに疾風迅雷の如くアンジールと激しく火花散る剣と剣とを交えた後、地面に着地し、風吹き付ける夕闇の屋上で、再度対峙しあうリエール。
アンジール「ほぼいつもの調子に戻ってきてるんじゃないか、リエール。
これくらいでもう充分だろう」
リエール「むしろ前より体が軽くなったみたいで全然イイ感じよ。
力もどんどん漲ってくる感じだし。
やっぱりおもいっきりがっつし寝たせいかしら。
はやくラザード統括から次の任務こないかしらね」
アンジール「まあよっぽどの事ではない限り、雑用はクラス2ndか3rdの仕事だからな。
それまでに焦らず実力をつけておくのも俺たち1stの仕事だ。
後輩たちがいつでも頼れるようにな」
リエール「…そうね。
先輩のおっしゃる通りね。
いつでも頼りにしてますから、アンジール先輩。
ふふ♪」
アンジール「リ、リエール!」
――セフィロスとジェネシスがともにリエールに想いを寄せる一方、アンジールとリエールは兄妹のような関係だ。
アンジールは堅実で責任感が強く、リエールがソルジャーとして入社した後、彼女が全く知らなかった神羅のことやミッドガル、魔晄炉・マテリアの存在のことなど一通りの知識を教え、また、剣の稽古もつけたりするなど後輩の面倒見はよく、その実直な人柄からも後輩ソルジャーたちからの信頼はとても厚い。

それ故にリエールもアンジールのことは兄のように強く信頼しており、人生のよき先輩として慕っている間柄にある。

束の間の休息に二人がふざけあっている傍らで、それを見守るジェネシスがセフィロスに静かに語りかける。
ジェネシス「…リエールはまだ気づいていないようだな」
セフィロス「…ああ」
ジェネシス「…己の瞳の色が変化していることに。
まあ、彼女は元々青い瞳をしてたからな。
微々たる変化に気付かなくても無理はないだろう」
セフィロス「…もしあの瞳の色の変化と…彼女の身体能力の飛躍に関係があるとするならば――
やはり原因はあの薬、か?」
ジェネシス「…確信は出来ないけどな。
可能性は充分に考えられる」
――リエールとアンジールが再び剣を構え、一陣の風のように目にも止まらぬ攻防を繰り広げる最中。

二人はリエールが猛毒から解放されてから直後の事を思い出していた。

セフィロスが解毒香を持ち帰り、彼女に飲ませたあと。
リエールはようやく眠りから開放されたわけなのだが、彼女の深い海のような色をしたマリン・ブルーの青い瞳は、何故か自分たちと同じ明るめの青い色を宿して輝いており、セフィロスたちはそのことに違和感を覚えざるを得なかった。

通常、ソルジャーは魔晄の力で強化した兵士たちの事を指す。
その力は一般の神羅兵とは大きく異なり、凄まじい戦闘能力を発する。
特にクラス1stのソルジャーには特殊な措置も施された者もいるようなのだが、詳細は明らかにはされていない。
そしてその魔晄の影響で瞳が明るめの青に輝いているのが特長なのだが――

もし…宝条からもらった薬に、魔晄が混在していたというのなら、上記の仮説にも、そしてリエールの言う「体が軽くなったような気がする」という言葉にも充分に説得力が伺え、つじつまが合う。

しかし、リエール本人はそのことに気付いていないことと、宝条の薬の製造を実際に監視していたアンジール曰く「別の薬を混ぜたような怪しい感じはなかった」との証言もあることから、今は話す必要もない、とセフィロスとジェネシスはそう考えていて、リエールには話せずにいる。
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