Story of Girl's Side 2nd Kiss

□Destiny005.オーブを探して〜志波編〜
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――男の名前はジョージと言い、家はこの近くのようなのだが、空腹に耐えられなかったようで、魚のにおいをかぎつけてここにやってきた、とのことだった。
俺はジョージの言葉にふと違和感を覚えて言葉を紡いだ。
志波「…家がこの近く、って…。
ここは国立公園じゃないのか?」
ジョージ「あ…うん。
それより君は観光でこのマリーン湖へ?」
志波「…いや。
ちょっと探し物をしているんだ。
パープル・オーブという物なんだがな。
そのオーブがないと、クラスメイトを救えないんだ」
ジョージ「え…?!
…そのオーブのことなら、何だか聞いたことがあるなぁ」
志波「本当か?」
…意外だ。
まさかこんなところで有力な情報がさっそくつかめるとはな。
ジョージ「…村の人たちなら知っている人がいるかもしれないな…」
志波「村、ということは…このあたりにあるのか?」
ジョージ「うーん…本当はあまりよそ者には教えたくないんだけど…」
…俺の欲しい答えになっていなのだが。
俺の質問に答えろ。
ジョージは何故かきょろきょろと辺りを見回し、不審な行動をとっていたが、一方で何故か小声で俺に話しかけてくると。
ジョージ「…僕はメディスという村に住んでいるんだ。
森に囲まれた場所にあって、村の人たちは皆このペンダントを持って森へ出るんだ。
魚を分けてくれたお礼に、もう一つ持ってるから君にあげるよ」
志波「…そうなのか。
なら一応もらっておく」
…にしても、微妙なデザインのペンダントだな、コレ。
まさかコレ、ジョージが作ったとかじゃないだろうな。
だとしたらセンスを疑うぞ、俺は。

…まあとりあえず、ここで魚食っててもしょうがないし、村に行ってみるか。
ジョージ「それじゃあ行こうか!」


※ ※ ※
――それから深い森を抜けること1時間弱。
カナダ――メディス村。
ジョージ「ここがメディス村だよ。
僕の父さんはこの村の村長なんだ。
ここにいる間は僕の家に泊まっていくといいよ」
志波「…ああ、助かる」
ジョージ「じゃあ僕も村の文献調べてみるから」
そういうと、ジョージは足早に村の奥へと入っていった。

…ひとまず村につれてきてもらったはいいが…これからどうするか、だな…。

確か街の人から話を聞くってのは、ゲームじゃ常套手段だったな。
…まずはあそこのオヤジさんに聞いてみるか。

志波「…パープル・オーブについて聞きたいんだが…」
村人A「…ん?
あんた、どこの者だい?」
志波「あ?」
村人A「もし隣村のヤツだったらただじゃすまないぞ」
志波「…違う」
村人A「…そうかい、それならいんだが…」
そう不審げに俺の事を見つつ、村の人はぷいと俺に背を向けて去ってしまった。
…なんなんだ、今のは。
更にもう一人の村人に話しかけてみれば、
村人B「へっ、隣村の娘になんか来て欲しくないね。
きっと村長の財産が目当てなんだぜ」と言われ。
中には話しかけても全く答えてくれない人もいて。
俺よりも単に無口なのか、言葉を知らないのかはわからないが…。
何か話してくれないと、話が先に進まないんで困るんだがな。

だが、一方では村の中心の大きな木についての話も聞くことも出来た。
このメディス村の中央の大きな木は守り神で、中には怪物がいて入る事は出来ないが、だけどこの村ではあそこに行って帰ってきた人勇気のある人として称えられるらしい。
…これはニガコクの副会長として、聞き逃すわけには行かないな。
クリアできた暁には針谷に報告して奴の度肝抜かれた顔を拝ませてもらうことにしよう。
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