Story of Girl's Side 2nd Kiss

□Destiny008.結成?補習トリオ・ザ・C.H.S.の巻。
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リエール「…ちょっとリエーシア」
リエーシア「なんでそこで睨むの、ママ…」
リエール「遅刻もよろしくはないけど、居眠りってどーいうことかしら」
リエーシア「だ…だってしょうがないじゃない!
ママだって私が夜色々と忙しいの知ってるクセに…」
リエール「だからって手を抜いているようじゃ、カレのためにパーフェクトなレディになんてなれないわよ?」
リエーシア「マ、ママ!」
確かに母親の言う通りであり、この前の数学の授業でもうっかり居眠りして瑛に呆れられてしまったために、彼女は反論する術がなく、リエーシアは母の言葉に思わず赤面する。
若王子「おや、リエーシアさん、さては好きな男の子が…いるんですね?」
リエーシア「いや、あの、私はそんな別に好きな男の子だなんて…。
そ、それに今はそういう話をしてバヤイじゃないじゃないですか!」
若王子「いいえ、隠さなくてもいいんですよ?
…恋愛から学べることも沢山ありますし、それもまた青春の一つですから、先生は大いに楽しむべきだと思います」
リエール「…ですって。
リエーシア、そういうわけだからあまりカレにもがっくりされないように頑張りなさい。
ママたちだって応援してるんだから」
リエーシア「も、もうママってば…先生の前で恥ずかしいんだけど…!
どうして三者面談でその話になるのやら…」
若王子「おや、もしかして既にご両親公認の仲なんですか?」
リエール「ええ。
主人も認めておりますし、高校卒業後には、カレにはぜひ私達の後継者として迎えるつもりでいますの」
若王子「はあ…後継者、ですか」
リエール「ええ、我が家にはこの娘しかおりませんし、たった一人の大事な娘ですから」
若王子「なるほど…婿養子、ですか。
確かにお母様としても、お嬢様にお嫁に行かれるのは喜ばしい反面辛いでしょうね。
リエーシアさん、そのカレとうまく行くといいですね。
先生も応援しています」
リエーシア「あ、はい…ありがとうございます…じゃなくて!!」
若王子「じゃ、三者面談は以上、ということで。
気をつけて帰ってくださいね」
リエール「ええ。
若王子先生、これからも娘のこと宜しくお願いしますね」
若王子「…はい、こんな僕でよければ…」
またしてもリエールの魅惑の微笑みにかかった若王子は、ほのかに頬を桜色に染めてそう答える。
リエーシア「…若王子先生」
若王子「あ、いや、別にやましいことは何も考えてないですよ。
本当ですから」
リエーシア「…………」
確かにリエーシアの母親はシルバーミレニアムの次期女王である傍らで、今現在は芸能界ではスーパーモデル兼SPread Five wings(S.P.F)メンバーのエグゼクティブ・プロデューサーとしてその才能と群を抜くその美貌を駆使して多忙な日々を送っているし、事実リエールは結婚したいまでも聖戦士の一人であるオスカーやフランシスからもデートに誘われたりもしており、とにかくモテる。

母親が美人であることは娘からしても確かに自慢ではあるけれど、同時にそんな母親の自由気ままな恋愛遍歴について、娘としては密な悩みどころでもあるし、若王子先生がリエールに思わず見とれるのも無理はないのか知れない。

…やがて三者面談を終えたリエールとリエーシアが帰り支度を済ませて教室を後にしようとした矢先。
リエールは若王子先生に告げる。

リエール「あ、そうそう。
若王子先生。
…あなた確か、IQ200の天才科学者なんですってね」
若王子「…はあ…まあ…。
でもそれはもう過去の話です」
少し困惑したようにそう答える若王子だったが、そこにリエールが近づき、囁くような小声で言葉を紡ぐ。
リエール「…そう。
今度ちょっとそのことで先生と二人でお話したいことがあるんですの。
××日の放課後…空けておいてくださるかしら?」
若王子「え…それはつまり…」
リエール「…××日の17時に…ここの喫茶店で待っているわ」
若王子「はあ…」
彼女の色香とその突然のお誘いに戸惑う若王子の白衣のポケットに、リエールはこっそりと小さなメモらしき紙を忍ばせる。
リエール「…楽しみにしているわ」
そう言って妖しさに満ちた笑みを残し、リエールは娘と共に教室を後にしたのだった。
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