Story of CCFF7

□Mission:007
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※ ※ ※
――バノーラ村・集落。

ツォン「…ここがジェネシスの実家。
両親はこのあたりの地主だ」

――大きく垂れ下がるバノーラ・ホワイトの木を見つめ、アンジールのかつての言葉が鮮明にリフレインされる。

『――俺は決して盗まなかった。
地主の息子が親友だったからだ』

ザックス「…………」

ツォン「…旧知なんてものではない。
二人は幼馴染で親友だった」
ザックス「脱走したジェネシスが、親友のアンジールを仲間にした――
そういうこと?」
ツォン「…セフィロスはそう考えているようだ」

リエール「…………」

ツォン「…おや?」
――ふと彼が目にしたその先。
ツォン「…墓石だな。
まだ新しい」
リエール「墓石……」
ざわりと、彼女の胸に不安がよぎる。
まさか…ジェネシス――
リエールが胸の奥でそんな不安に駆られる最中。
ツォン「ザックス、リエール。
アンジールの家を確認してきてくれ。
俺は墓を調べる」
ザックス「えっ?!
マジかよ…!
――タークスってそんな仕事もするのか」
ツォン「誰かがやらなくてはならない」
ザックス「…大変だな」
リエール「じゃあ私はタークスには向いてないわね」
ツォン「ふん、気にするな。
おかげでお前よりかは給料はいい」
ザックス「マジかよ!
ちなみにリエール、あんたの給料は…?」
リエール「ふふ、それは企業秘密。
さっ、さっさとお仕事済ませましょう」
そう言って集落の方へ歩き出すリエールのあとを、ザックスが慌ててついていく。


※ ※ ※
――アンジールの実家。

ジリアン「…何か、用?」
ザックス「お…お邪魔してます」
リエール「もしかして…あなたがアンジールのお母様?
私は彼の後輩ソルジャークラス1stのリエールです」
ザックス「俺は2ndのザックス」
二人の自己紹介に、目の前の婦人はしばらくザックスの顔を見つめると。
ジリアン「…もしかして、子犬のザックス?」
ザックス「何だそれ?」
そこに隣のリエールがぶっと、溜めていた笑いを一気に吹き出す。
ザックス「おいっ!」
リエール「ふふっ、アンジールから聞いてないの?
あなたの名誉のために私は黙っておいてあげたんだけどさぁ。
私たち1stの間じゃすっかり『子犬のザックス』って通り名で有名よ。
アンジールの趣味は『犬の世話』ってね♪」
ザックス「はぁ?
通り名って……。
しかも犬の世話って何だよ!」
ザックスが何の事かと呆れ、リエールに噛み付く傍ら。
ジリアン「ふふ…息子からの手紙に書いてあったわ。
『集中力ゼロ、子犬のように落ち着かない』――」
ザックス「アンジールの奴…!」
リエール「はいはい、そのまんまなんだから脹れない、脹れない」
ザックス「あのなぁ…」

そんな和んだ雰囲気の中。
警戒心を解いたらしき婦人が話を切り出す。

ジリアン「あなたたち…ジェネシスの仲間じゃないのね」
ザックス「うん、違う。
安心して」
ザックスは屈託なく微笑み、力強く頷いてみせる。
ジリアン「…息子に…何があったの?」
ザックス「俺にも…わからないんだ」
リエール「――アンジールのことにはついて今現在調査中です。
詳しい情報はまだ掴めていないわ。
――お母様の方では何か?」
リエールにたずねられ、視線を二人からそらした婦人は、やや節目がちに――静かに語った。
ジリアン「…ひと月前に、ジェネシスが帰ってきた。
大勢の仲間を連れてね。
…そして村人たちの命を奪ってしまったの」
リエール「そ…そんな…。
どうして……」

婦人はかつてのジェネシスの姿を思い浮かべながら、ぽつぽつと語る。
ジリアン「――昔はいい子だったのに」
リエール「ジェネシス……」
婦人からの衝撃的な話に、彼の友であるリエールは深い戸惑いを隠せない。
リエール「お母様…私もジェネシスのことはよく知っています。
彼は無意味にそんなことをするような人じゃない。
今回の失踪だって、きっと何か理由があるはずなんです」
ザックス「だからって…村人殺していい理由には――…!」
リエール「わかってるわ!
わかってる、そんなこと――
だからこうして二人を探しにきたんでしょう?」
ザックス「…………」
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