Story of CCFF7

□Mission:007
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ザックス「――アンジールは?」
ジリアン「戻ってるわ。
でも…剣を置いてどこかへ行ってしまった」
婦人が見やるその壁には――
リエール「これは…アンジールのバスターソード…!
あんなに大切にしていたものなのに…どうして…」
ザックス「アンジール…」
壁に立てかけられたバスターソードを見つめ、二人が立ち尽くす中。
リエール「お母様…この剣、とても大切な剣なんでしょう?
お父様が身を粉にして働いて買ってくれたものだって…前にアンジールが話していたわ」
ジリアン「ええ、そうよ。
その剣は我が家の誇りなの」
ザックス「…そっか。
それで――」
リエール「…ええ、そういうことだったってわけ」
ザックス「リエール……」
かつてのアンジールがウータイ砦攻略前に『まじない用』といっていた意味を察し、深く納得するザックスだったが――
ザックス「でも…あいつ、この剣ぜんぜん使わないんだ」
ジリアン「…………」
ザックス「――アンジールのことは俺たちに任せて、おふくろさんは隠れていた方がいい」
ジリアン「心配要らないわ。
ジェネシスは…私を殺せない」
その言葉にある確信を得た二人は――小さく頷いた。


※ ※ ※
――バノーラ村・集落。

ザックス「アンジール…どこ行ったんだよ…」
リエール「全く…皆揃いも揃って手間かけさせるんだから。
ジェネシスと遊んでないで早く帰ってきなさいっての」

――婦人の話を聞き終え、やりきれない思いでその場に立ち尽くす二人だったが、そこへ鳴り響くザックスの携帯電話。
ザックス「はい」
ツォン『――村はずれに工場がある。
そこにジェネシス・コピーが入っていった』
ザックス「奴らのアジトってわけ?」
ツォン『おそらく。
今、工場のそばの崖にいる。
正面突破は避け、上から侵入しよう。
すぐに崖の上に来てくれ』
ザックス「了解」


※ ※ ※
――村はずれの工場・崖の上。

リエール「ツォン!」
ツォン「来たか」
リエール「ツォンの方はどうだった?」
彼女に尋ねられ、ツォンはその冷静な表情を崩さぬまま、淡々とその衝撃的な事実を語った。
ツォン「――墓はジェネシスの両親のものだった」
リエール「そんな……」
まさかとは思っていたが――
不安が的中した彼女の胸には刃が突き刺さったように、冷たい痛みが走り抜ける。
ザックス「自分の親を…?!」
ツォン「…道理が通用しない相手のようだな」
リエール「…………」
ツォン「アンジールの方はどうだった?」
ザックス「…家にはいなかった。
でも頼む!
時間をくれ!
もしアンジールがいたら、俺が説得する。
アンジールが考え直せば、ジェネシスも神羅に戻ってくるかも…!」
ツォン「…そうか。
セフィロスがお前たちを指名した理由がわかった」
ザックス「俺?」
リエール「…なるほど、やっぱりね。
それがセフィロスの命令拒否理由だったわけね」
肩をすくめ、苦笑しつつ彼女は小さく嘆息する。
ザックス「どーいう意味だよ?」
ツォン「ジェネシスとアンジール――
リエールが入ってくる前までは、セフィロスの友人はこの二人だけだった。
…最も戦いたくない相手だ」
ザックス「俺とリエールだって、アンジールの友達だ」
ツォン「…お前たちなら二人を取り戻せると期待したんだろうな」
ザックス「…………」
リエール「セフィロス…」

ツォン「――時間がない、急ごう」
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