Story of CCFF7

□Mission:010
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セフィロス「ここで何をしている」

リエール「セ…セフィロス…!!」

突然投げかけられた無機質な声にぎょっとした彼女の体は再び凍りつく。
予想だにしなかった愛する人の登場に。

リエール「な…なんであなたがここに…」
そう震える声で搾り出す傍ら、彼女はこっそりと端末の画面を消す。
セフィロス「…最近、夜な夜な誰かが出入りしてブリーフィング・ルームに謎の明かりが灯っているという話を耳にしてな。
確かめにきた」
リエール「も、もう…脅かさないでよ」
セフィロス「それはこっちの台詞だ。
…それで、お前はここで何をしていだんだ」
セフィロスが明かりをつけ、彼女に問い詰める。
そこにはいつものビスチェのような戦闘用コスチュームではなく、真っ白いドレスのような軽素材のネグリジェを纏ったリエールが、その場に立ち尽くしている。
リエール「な、何でもないわ」
セフィロス「こんな時間にこんなところで意味もなく何でもないってことはないだろう」
リエール「それは…」
彼女は言葉に窮する。
セフィロスがくるなど想定外のことだったし、状況も状況だけにいい言い訳が思いつかない。
セフィロス「『女神の贈り物』を探していたのか」
リエール「…………」
セフィロス「この際だからお前に聞こう。
お前はいつからジェネシスがモンスターだと知っていた?
奴が『女神の贈り物』を探していたということも――」
セフィロスは机に腰を下ろし、腕を組みながら、彼女に尋ねる。
リエール「それは……」

――セフィロスと初めて出逢った時と同じ、全てを見透かすような鋭い青い瞳。

そんな瞳で見つめられると、話さないわけには行かなくなってしまう。
隠し事は一切させないかのような、澄み切った鮮やかな青――

やはりこれ以上は、セフィロスには隠し事はできない――……。

そう察した彼女は、以前の晩餐会でのプリンセスD秘宝回収任務で起きた出来事を思い出しながら、その全てを語った。

晩餐会で少女に秘宝を奪われ、バルコニーから落ちそうになったとき、ジェネシスが片翼の翼を広げて助けてくれたこと。
晩餐会後に、自らが既にモンスターであることをジェネシスが明かしたこと――
彼をモンスター化から救うには、『女神の贈り物』が必要だということ…その全てを。

セフィロス「…なるほど、な」
リエール「信じてくれるの?」
セフィロス「…お前は裏切ったわけじゃないんだな?」
リエール「違うわ!
本当に違うの…!
確かに黙っていたことについては悪かったって思ってる…!
でも、ジェネシスも苦しんでることを考えたら言えなかった――
それに私は私自身の意志で『女神の贈り物』を探してるだけなの!
決して裏切りなんかじゃ……」
セフィロス「…お前がそう思っていても、ジェネシスはそう思ってはいないかもしれない」

リエール「それって…ジェネシスが私を利用してるって…そういいたいの…?」

セフィロス「可能性は捨てきれない」

彼女はセフィロスの言葉に、複雑な憤りを隠しきれない。
ならば…ジェネシスが言っていた自分を愛しているという言葉も、全て偽りだったのか――

何が真実で、何が偽りなのか――
混乱するその心に、リエールは自らの体を抱く。
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