Story of CCFF7

□Mission:012
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※ ※ ※
――魔晄試験発掘施設。

ホランダー「何をする!
…お前には私が必要だ。
私がいなければお前の劣化は誰が止める!」
真紅のコートを身に纏った男から剣を突きつけられ、ホランダーが徐々に追い詰められる傍ら。
男――若干色素の抜けた茶色の髪を微かに揺らしながら、ジェネシスは剣を突きつけたまま、ホランダーを睨みつけている。

ザックス&リエール「!!」

そこへ、無事内部潜入に成功したザックスとリエールがエレベーターに乗って現れ、二人が見守る中でジェネシスは単語を発する。

ジェネシス「ジェノバ細胞――」

とにかく、このまま二人を逃すわけには行かない――!!

ザックスは狼の如く吠えながら二人の下へと突っ込み、ジェネシスの剣を振り払うと、彼の前に立ちはだかる。
リエール「ザックス!!」
ザックスとジェネシスの交差する剣の力押しが続く一方で、逃走を図るホランダーだったが―ー
ザックス「待て!」
それを同行していたクラウドが見事に確保。
ザックス「クラウド、よくやった!」
しかし安堵したのも束の間――
ホランダーはクラウドを強引に振り払うと、それによって吹き飛ばされたクラウドはその勢いで地へと倒れこむ。
クラウド「うっ…!!」
リエール「クラウド、大丈夫?!」
リエールがすぐさまクラウドを気遣い、ザックスの方もまたジェネシスに剣を振り払われて体勢を崩す中。
ホランダー「だが…ジェノバ細胞は保管場所がわからない!
宝条でさえ知らないんだ、見つかりっこない!!」
ザックスの背後でホランダーが叫ぶ。
ジェネシス「…だったらこのまま朽ち果てるさ。
ただし…世界も道連れだ!!」
ジェネシスは再び剣を振るい、ザックスとその刃を交える最中で、再び逃走を図るホランダー。
ザックス「クラウド、追え!!」
交戦するザックスから指示を受けたクラウドがすぐさまホランダーの後を追いかけ、この場を離れる一方。

リエールはジェネシスに語りかける。
リエール「ジェネシス…その姿、まさか劣化…?!」
彼の夕闇のような赤茶色髪はところどころが色素が抜けて何本かが白くなっており、首から肩にかけてのコートの色も漂白したような灰色に染まっている。
ジェネシス「…お前にだけはこんな姿など見せたくなかった。
だけどお前とともに世界もろとも朽ち果てることができるのなら本望だ」
リエール「やめて、ジェネシス!!」
リエールにも剣を振り下ろし、彼女もまたそれを受け止めて応戦するが――
リエール「それ…本気で言っているの…?!」
ジェネシス「ああ、本気だ!!」
リエール「あうっ…!!」
強烈なジェネシスの一撃が彼女を振り払い、大きく仰け反るリエールとは反対に、次はザックスが間合いへと入り込んでその剣を幾度も奮い立つ。

――流石はセフィロスと双肩を並べるソルジャークラス1st、か。
劣化していてもその剣の立ち振る舞いには一切の無駄がなく、同じ1stなのにこうも開きがあるものなのかと、ザックスは奥歯をぎり、とかみ締める。
ザックス「リエール!!
ジェネシスは俺が倒す!!
お前はここから逃げるんだ!」

――その瞬間、リエールの脳裏にリンクする、王国崩壊直前の決して覚めやらぬ記憶。

キング・アーサー『逃げろ、リエール!!
お前は私たちの希望だ…!
生きて必ず新たなる王国を築くんだ!!』
アリシア『どうか強く生きて…!!
そして愛すると人と今度こそ平和な王国を…』

お父様、お母様――
炎にまかれていく世界、紅き血へと染まっていく大地、腐敗していく風の匂い…崩れ落ちていく城(キャッスル)、沈んでいく数多の命――

リエール「――嫌!!
私はもう何ものからも逃げたくはない…!!
大事なものを失いたくない!!」
ザックス「リエール…!!」
リエール「ジェネシス…はああああっ!!!!」

――ガキンッ…!!

ジェネシス「く…!!」
リエールの気合の一閃がジェネシスの剣と交わり、彼はその重みに思わず奥歯をかみ締める。
ジェネシス「…ふ、また腕を上げたか?
レディ・セフィロス――」
リエール「あなたの方こそ反対に鈍ったんじゃないの?
ソルジャークラス1st、ジェネシス=ラプソードス…!」
ジェネシス「…言うようになったな。
世界を救いたければジェノバ細胞を手に入れることだ」
リエール「ジェノバ細胞――
それがあなたの求める『女神の贈り物』なの?」
だが、剣を交えたままジェネシスは意味深な笑みを刻み――
リエールの一閃を強力な一振りで再び振り払う。
リエール「う…!!」
ザックス「リエール!!」
体勢を立て直し、ザックスと並ぶ中。
彼女は隣にいるザックスに語る。
リエール「…ザックス、この戦い、私に任せてくれないかしら」
ザックス「で…でも…」
リエール「大丈夫。
これで終わらせるから」
そう言ってリエールは数歩前に出ると剣を手のひらから消し、何やら言葉を並べ立てていく。
ジェネシス「…覚悟を決めたか、レディ・セフィロス」
ジェネシスが血の滴るような色の愛剣を片手に携え、不敵な笑みを刻む前では、今もなおリエールが呪文詠唱を続けている。

今のリエールは完全に無防備な状態――
いつジェネシスに倒されてもおかしくない状況だ。

そしてジェネシスが剣を構え、一気に間合いへと攻め込んだ瞬間!!

ザックス「リエールッッッ!!」
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