Story of CCFF7

□Mission:012
3ページ/10ページ

リエール「――喰らえ、聖竜!!
その聖なる牙を以ってあらゆる闇を滅せよ!!」

彼女が高らかに叫んだその時。
リエールの両手のひらからは眩いほどの金の閃光が生まれ、それは魔法陣と光の弓を形作り、その中から矢のように放たれた金色の竜が大地を揺るがすほどの咆哮をあげて、目の前のジェネシスへと突っ込んでいく。

ジェネシス「何…?!
――ぐああああっ!!」

瞬間、全てを包み込む金色の輝きに、ザックスは自らの目を覆う。

……そして。
それからどれほどの時が過ぎたのか。
やがてザックスがゆっくりと目を覆っていた腕をどかすと。

そこには力なく地に沈んだジェネシスと、それを複雑な色で見つめるリエールの姿――

ザックス「リエール…!
スゲェ……」
これがレディ・セフィロスの――
いや、聖竜騎士の真の力だというのか。
…彼女を本気で怒らせたら、もしかしたらセフィロスも一ひねりなんじゃ、とザックスは驚きも入り混じりつつあまりのその彼女の強さにやや動揺も抱く最中。

その後。
リエールの聖竜騎士の力――
女神引く弓より矢を放たれ、その前に完全に屈したジェネシスはゆっくりと立ち上がり――
ジェネシス「『明日をのぞみて
散る魂
誇りも潰え
飛び立とうにも翼は折れた――』」
そう己の姿をLOVELESSになぞらえるも再びジェネシスは倒れこむと。
目の前のリエールとザックスを見つめ、彼は告げる。

ジェネシス「…これがモンスターの末路だ」

リエール「ジェネシス――」
ジェネシスの言葉にあまりの居た堪れなさを感じた彼女は彼のもとへと歩み寄り、その体を抱きしめて首を左右に振る。
そして彼女と同じ思いを抱くザックスが吠える。
ザックス「俺たちはモンスターじゃない、ソルジャーだろ!
誇りはどうしたよ…!!」
ジェネシス「…………」
リエール「ジェネシス……」
ジェネシス「『約束のない明日であろうと
君の立つ場所に必ず舞い戻ろう』」
またしてもLOVELESSを詠唱しながら彼はよろりと立ち上がると、リエールを突き放し、ずりずりとおぼつかない足取りでそのまま後ろへと後ずさっていく。
リエール「ジェネシス、何をする気…?!」
ジェネシス「…この世界が俺の命を脅かすなら――」
言って彼は翼を広げて手すりへと降り立つと――!!

ジェネシス「道連れだ」

リエール「――ジェネシスッッッ!!!!」

――リエールが駆けつけてその手を伸ばすも、それは僅かな差で届くことはなくて。

あの時の秘宝回収任務と同じ。
今度はこの手で彼の手をとり、救うと決めてきたのに――

彼は深い奈落の闇の底へと、どこまでも落ちていったのだった。

リエール「そんな…ジェネシス…」
ザックス「ジェネシス――」


※ ※ ※
――その後、ぬぐいきれぬ複雑な思いとともに施設を後にした二人だったが。
先ほど潜入捜査について話し合った崖の上に戻ってみれば、何故か待機しているはずのツォンとクラウドの姿がない。
ザックス「ツォン?
クラウドもどこいったんだ?」
リエール「ねえザックス、あの穴見て」
リエールの言われた方向に視線を流してみれば、そこには何やら人が入れそうな大きなトンネルらしき穴が開いている。
ザックス「ん?
もしかしてこの先はモデオヘイムに続いているのか……」
リエール「ザックス、行って見ましょう。
もしかしたら二人はあの穴の先にいるかもしれないわ」
ザックス「ああ、そうだな。
行こう」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ