Story of CCFF7

□Mission:004
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※ ※ ※
――アンジールから話を聞きつけ、リエールが彼らとともに急いで7階のダンスホールへと戻ると。
そこでは密に招待客に変装していたウータイ兵によって深手を負わされたり、あるいは逃げる際に慌ててケガをしたらしい招待客によって、ごったがえしていた。

リエールが下でユフィを相手している間に、どうやら紛れていたウータイ兵士はセフィロスとアンジールが片っ端からあらかた始末してくれたようだが、二人は度重なる大勢の客たちの後々の対応に追われ、手が離せない様子だった。
アンジール「すまないがリエール、至急プリンセスDの手当てを…!」
アンジールの言葉に頷き、リエールが王女の元へとすぐさま駆けつける。
セフィロス「……リエール。
先程の騒ぎに乗じてプリンセスDとはぐれた」
やはり恋人であり任務でもよきパートナーでもあるリエールを前にしているせいか、セフィロスが珍しくも申し訳なさそうに告げるその腕の中では、兵士に深手を負わされて息絶え絶えの王女が、苦しそうに呼吸を繰り返していた。
リエール「……あなたのせいじゃないわ、セフィロス。
――大丈夫、すぐに助けるから心配しないで」
それからリエールは王女へと視線を移し、宝箱を隣にいるアンジールに手渡すと。
リエール「…プリンセスD。
――もう大丈夫よ」
プリンセスD「はあ…はあ…はあ…」
ぐるぐる渦巻き丸眼鏡をかけたままだが、おそらく苦痛に顔を歪めている王女の体に、リエールはその両手をすっと翳し、口の中で呪文を唱え始めた。
リエール「フルケア…!!」
その直後、リエールの掌から淡い金色の光が生まれ、王女の傷は瞬く間に回復したのだった。
リエール「――プリンセスD、さあ起きてみて」
彼女の言われるままに、王女はセフィロスの膝からその身をゆっくりと起こし上げる。

するとその時、王女の丸眼鏡がするりと落ち――

アンジール「何…?!」
リエール「え…ええっ?!」
ジェネシス「…!」
セフィロス「………」
3人をはじめ、彼女の素顔に驚きを隠せない4名は。

プリンセスD「…私、今まで何を…?」
渦巻き丸めがねから、ついに現れた彼女の素顔は何と。
パッチリとした美しい瞳に薄い唇を持った、まさに有名国の王女に相応しき、それはそれはとても美しい外見だった。
リエール「プ…プ…」

――プリンセスDッッ?!

その思ってた以上の、余りにもキレイな彼女の美貌に紡ぐ言葉をなくす一行。
すると王女は落ちた眼鏡をわたわたと手さぐりで探すと、すちゃっと装着したのだった。
プリンセスD「メガネ、メガネ…!
私これがないと、全然見えなくって…」
リエール「う、ウソ……(汗)」
アンジール「…プリンセスDはマスコミ嫌いだという話は聞いていたが…人は見かけによらないな」
ジェネシス「だが、少々惜しいな。
眼鏡がないほうがずっと女性として魅力的のはずなんだが…」
セフィロス「…コンタクトにはしないのか」
リエール「何でも一方でメガネ収集・愛好会の理事長なんですって…」
アンジール「だからコンタクトにしないんだな」
プリンセスDの素顔に口々とそうひそひそ話す中。
アンジール「――そうだった」
彼は思いついたようにそう漏らすと、その手に抱えた宝箱を王女に差し出した。
アンジール「騒がせてすまなかった。
大事なモノなんだろう?
リエールが取り返してくれたんだ」
プリンセスD「はい!」
王女はアンジールから大切な宝箱を受け取ると、優しく柔らかな笑みを浮かべ、深々とおじぎをしたのだった。
有名国の王女とはいえ格式ばらず、意外と庶民的なお姫様のようだ。
プリンセスD「まあ、それはそれは…!
本当にありがとうございました」
リエール「あ、いえ……」
だが、そういう彼女の瞳は何故か気まずそ〜にあらぬ方向を泳いでいる。
セフィロス「…どうした、リエール」
リエール「い、いや別に…」
セフィロス「…?」
リエールのそんな神妙な面持ちを、セフィロスらが怪訝な眼差しで見つめる中。
リエールは内心で毒づいたのだった。
リエール「(…確かに『アレ』なら、あの自称マテリアハンターな女の子もあっさりと諦めるわけだわ…)」
アンジール「……本当にすまない、プリンセスD。
こちらの方こそ、何だかせっかくの晩餐会をぶち壊しにしてしまって…」
プリンセスD「いいえ。
ご心配なさらくても大丈夫ですよ、皆さん。
こうして『幻の秘宝』も無事戻ってきたことですし、後片付けをして、また仕切りなおせばいいだけの話ですわ。
後ほど秘宝を公開後、皆様には、私の方から感謝の気持ちを込めて贈呈品をお送り致しますので、ゼヒ受け取って下さい」
アンジール「そ、そうですか。
では、お言葉に甘えさせて頂きます…」
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