Story of CCFF7

□Mission:004
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※ ※ ※
――そして片付けを含めた約2時間の延長の後、晩餐会は、再びその華やかな賑わいを取り戻して。

フロアで踊る他の客達を見つめるセフィロスが隣のリエールに話し掛ける。
セフィロス「まあ何はともあれ、晩餐会が元通りになってのはよかったが…」
リエール「う、うん……。
そうだね……」
しかし、リエールはせっかくの晩餐会だというのに、ユフィとのやりとりが終わってからは何故か冴えない色を浮かべるばかり。
セフィロス「どうした、どこか具合でも悪いのか」
リエール「ううん、別に大丈夫よ」
セフィロスの言葉に、取り繕いつつもそう返事を返すリエールだったが、そんな彼女の様子がどうしても気にかかったセフィロスは、今はあえてそれ以上のセリフは紡ぐことなく、その口を閉じたのだった。


――やがて、数多の招待客が長い間ずっと待ち焦がれた『あの時』は、司会者の高らかな叫びを皮切りに、ここにしてようやく訪れたのだった。
司会者「皆様、大変長らくお待たせ致しました!
ただいまプリンセスDより、本邦初公開にして世界最後の幻の秘宝!
――王室の秘宝を公開いたします!」
司会者の熱意こもった言葉がホールに響き、目の前で今まさに明らかにされるその秘宝の全貌に、誰しもが固唾を飲んで夢と期待を膨らませる中。
王女の手によって宝箱がゆっくりと開かれ、中からは眩いばかりの光がきらきらと溢れ出す。

――そして王女がそっと取り出した、その秘宝とは。
プリンセスD「2000カラット!!のダイヤモンドの、初代D国王女(プリンセス)の像です!」
その瞬間、おおおっと一斉に沸き上る、招待客たちの歓喜の声。

アンジール「これはまた……随分派手に凄いな(汗)」
セフィロス「…この世にまたとない、かなり独創的な像だな。
…つまり俺達はあのダイヤの像を取り戻すためにウータイの下等兵士と闘っていたというわけか。
中身を確かめるのが任務だと言うのはわかっていたが…とんだ無駄足だったな。
センスが悪すぎる」
リエール「(う…ちょっと怒ってる…)」
ジェネシス「…結局の所はそうだったな。
まあでも、2000カラットのダイヤモンドなんて、そうお目にかかれるものではないからな。
この際じっくり眼に焼き付けておこうじゃないか」
4人がダイアモンドの王女の像に、どうコメントしていいのかわからず、ただただ心底からあっけにとられる横で、先程のリエールの反応を思い出したセフィロスが、呆れた風にして彼女に告げる。
セフィロス「……お前まさか、秘宝を取り返したときに先に勝手に覘いたな」
リエール「えっと、それはー…その…。
ついつい良心が堪えきれず…ほんのちょこーっとだけというかぁー……」
セフィロスにじろりと見られ、あはははーと苦笑いをしつつ言葉を濁すリエール。
だけど、リエールがもっとも気にしていることは、勿論ジェネシスの事だが、今はその事を話すべきときではない。

そんな一行が目の当たりにした、例の王女のダイアモンド像とは。

王女をモデルに、どこぞの西洋の国で見たことのあるような自由の女神のポーズをあしらった――
いやはや何とも絢爛豪華としか言いようのない、芸術品さながらの輝かしい造りをした、神秘的な像なのであった。


リエール「そんなことより、なんかモノスッゴク色んな意味で疲れちゃったわ…。
あ、いいところにジュース見っけ♪」
彼女が周囲を見回し、ふと手頃なグラスに入った飲み物を見つけると。
アンジール「あっ、おい、それは…!」
アンジールが止める間もなく、リエールはグラスを手にし、相当喉が渇いていたようで、ぐびっと一気に飲み干した。
リエール「ん…ヒック。
あ、あれ?
なんか…目が回る、ような…?」
…なんだか胸の辺りが焼けるような感覚。
体が熱い。
視界がくらくらする。
そう思った瞬間、リエールはその場にがくんと膝を折ったのだった。
セフィロス「リエール!」
リエール「も…もひかひて…」
アンジール「ああ、お前が飲んだのは酒だ。
しかもウオッカで割った、アルコール度の強いヤツだ」
リエール「う…うう…き、きぼちが…わる…」
セフィロス「…あれほど酒を飲むなと言ったのに…」
セフィロスがそう危惧するのには訳があり、ソルジャーの中で彼らと肩を並べるほどの実力を有するリエールであるのだが、そんな彼女にも唯一の弱点があり、それは酒、である。
ジェネシス「…セフィロス、アンジール。
プリンセスDが呼んでいる。
俺は別室でリエールを看病しているから終わったらきてくれ」
セフィロス「…だが…」
ジェネシス「…イイ思いなら後でいくらでもできるだろう?
俺にも少しくらい夢を見させてくれ」
――ジェネシスがリエールに想いを寄せていることについては、セフィロスも以前から気付いている。
だからこそ腹に何を抱えているかわからないジェネシスにリエールを任せるのは少々不安ではあったが、セフィロスへのリエールの愛が絶対であることを理解しているセフィロスは、リエールを信じ、そのまま彼女の事をジェネシスに任せることにしたのだった。
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