Story of DISSIDIA FF

□Shade Destiny:001
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※ ※ ※

――開店準備中のセブンスヘブン。
AM11:30。

ティーダ「うーん…これだけ何とか資料あつめたのに、手がかりはなしッスか…」

全員テーブルにあつまり、そのテーブル上に散らかった資料や本を目の前にティーダが疲労の色を浮かべながら一人ごちる。
彼が疲れたようにそう言葉を漏らすのも無理はなく、集められた資料はどれも古い伝説や言い伝えのものばかりで確証はなく、仮に試そうと思ってもそのための材料がなかったりと、結局ふりだしに戻る――そんな繰り返しだからだ。

ジタン「ま、全く異なる世界を行き来するなんて非現実的だし、当然誰もやったことない話だからなぁ。
現に俺たちはそれをやってのけようってんだし。
ここの生活にも慣れてきたし、この世界も悪くはないけどね。
あいつも追ってこないし」
WoL「だが、いつまでもティファやクラウド・リエールたちの世話になるわけにもいかないだろう」
リエール「何言ってるのよ、ぜんぜんそんなことないわよ。
イケメンウェイターが増えたって評判だし、おかげさまで商売繁盛、本当に助かってるもの。
ねえ、ティファ」
ティファ「え、ええ、そうね。
…皆が帰っちゃうと思うとちょっとさびしくなっちゃうけど。
皆にもやらなきゃいけないことがあるし、待ってる人もいるんだもの。
それを私たちが引き止める理由はないもの」
ジタン「うまいねぇ、ティファ。
そんなこと言ったらますます帰りづらくなっちゃうじゃん」
ティファ「もう、ジタンってば…」
キッチン越し、開店準備を進めているティファが苦笑する。
フリオニール「ジタン、あまりティファを困らせるようなこと言うなよ。
ティファだって気を遣ってくれて…」
ジタン「へいへい、わかってるって」
ジタンがフリオニールの説教めいた言葉に辟易しつつ、それをさえぎる傍らで、オニオンナイトがクリスタルを手に静かにつぶやく。
オニオン「…こっちにきてからクリスタルは何の反応も示さないけど…クリスタルに何か手がかりは残されていたりしないのかな」
バッツ「どういう意味なんだ?」
オニオン「だってカオスは僕たちが倒し、世界は救われた――
役目を終え、コスモスももういないのに、いまもまだこうして手元に残ってる。
もしかしたら、このクリスタルにまだ何か秘密が隠されていることだって考えられると思うんだ。僕はね」
リエール「ふうん、なるほどね。
流石オニオン君、結構イイトコつくじゃない」
リエールが調子よくウインクしながら、オニオンナイトの頭をなでなでし、彼が「子ども扱いするなよっ!」と反論する傍ら。
スコール「…そうなると、クリスタルにかんする資料も集めた方が得策だな」
WoL「そうだな。
世界を行き来する方法を探すよりも、クリスタルについての文献や資料なら多く残されているだろうし、確実な手がかりを得られる可能性がもっと広がるはずだ」
ティーダ「そうなると、まずはまた図書館にいってクリスタルに関する資料探しッスね!
オレ、行って来るッス!」
そう言うが早いかティーダは即座に立ち上がると、そのまま店を飛び出していく。
流石はスポーツ選手だけあって、頭で考えるより思いついたら即行動のティーダらしい切り替えの早さである。
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