Story of DISSIDIA FF

□Another ep003:湯煙奪還温泉紀行?! NO-BA-RA ver.
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※ ※ ※
――ある穏やかな休日のセブンスヘブン。
AM11:15.

バッツ「えー、オホン。
諸君、今日はよく集まってくれた」
ティーダ「なぁ、バッツ。
集まっていったい何するんだ?」
ジタン「そうだよ、カッコつけてないで早く教えろよ」
彼がそうぼやき、椅子を斜めに揺らしつつもてあます中。
WoL「まさか、クリスタルに関するてがかりをつかんだのか?」

バッツ「――いや、全然」

――ドンガラガッシャーン!(?)

バッツのまさに風のようにあっさりした答えに、お決まりに盛大にズッコケる一同だったが。

スコール「…相変わらず何も考えてないのな」
セシル(P)「それで…バッツは僕たちに集まってもらってどんな用なの?」
スコールがため息混じりに呆れ、セシルも苦笑いしつつバッツに問いかけたところ。

バッツ「――諸君、これを見たまえ!!」

その答えにバッツがばっと得意げに彼らに見せびらかしたのは、何かの数枚のチケットだった。
フリオニール「それは…?」
バッツ「これは温泉旅行無料ご招待のプレミアチケットさ!」

一同「お、温泉旅行?!」

バッツからの思いもよらない答えに一同がそう声をステレオにそろえて驚く傍らで、バッツは引き続き得意げにその詳細を語る。
バッツ「昨日商店街で福引大会やっててさ、そしたら見事一発でこの大当たりってわけ」
フリオニール「へー、それはまたすごいな」
バッツ「だが…スゴイのはこれだけじゃないさ」
オニオン「へぇ、何がどんな風にスゴイの?」
そんなオニオンの疑問に、バッツはらしからぬ黒い笑みをクックックッ…と浮かべると。

バッツ「実はここの旅館の温泉――
混浴vvvなんだvvv」

ティーダ「い、いぃ?!
それってマジかよ?!」
フリオニール「…ゴクッ…」
その驚愕の勢いにのっかって、思わずティーダが立ち上がり、ほかのメンバーたちも目を丸くして同様に言葉を失う最中。

ジタン「そ、それって嘘…じゃないよな…?!

バッツ「諸君にそんな期待をかけさせるようなことを、このバッツ様が言うはずないだろう?」
――バッツの自信満々なセリフに、一同は悶々と想像する。
リエール・ティファ・ティナの3人の、あられもない入浴姿を。

彼女たちの大きく豊かで柔らかそうな胸に、白い肌を流れ落ちるシャワーの雫。
その細い腰のくびれに、すらりと伸びた脚線美。
そして何より、適度に火照り紅潮したその頬に、心地良さそうなその表情――

ティーダ「うわぁ……。
何か想像してみると、マジたまんないッスね〜!」
バッツ「お風呂上りの浴衣姿も結構萌えるよな〜っ!!」

フリオニール「ブーッ!!!!」

オニオン「ああっ!!
フリオニールが鼻血吹いて卒倒したっ(汗)!!」
セシル(P)「フ、フリオニール!!
大丈夫?!
しっかりするんだ、まだ皆の妄想は浅いぞっ!」

クラウド「…ゴクリには刺激が強すぎたようだな…。
(つーか、リエールとはいつもHしてるんじゃないのか…?)」

…どうやらリエールだけでなく、ティファとティナの入浴姿も同時に想像してしまったことで、フリオはあっけなくK.O.されてしまったようだ。
ティファの幼馴染であるクラウドにとっては少々むかつく話でもあるのだが。

クラウドがクールに毒づき、その横で一同がフリオニールの卒倒振りにわいわいと慌てふためく中。
幸いにもリエール・ティファ・ティナの女性組は朝から買出しに出かけていて不在のため(もちろんバッツはその機会を狙った)、もし本人たちがこの場にいれば、黄金の竜の牙やらファイナルヘヴンやらメルトンやらが飛んできて、彼らはあっという間に店とともに全滅を迎えていたに違いない。

一方で、この期に及んでやはりちょっとやそっとのことで動じたりしないWoLがバッツに問いかける。
WoL「混浴なのはどうでもいいが…ちゃんと男湯と女湯もあるんだろうな?」
バッツ「どうでもいいって…あんたそれでいいのかよっ?!
男として大事なトコだろ、ココ!」
WoL「私は光の申し子と言われている以上、穢れるわけにはいかないのでな。
(セーラ王女がいなければ意味がないし…)
男湯が用意されているのであれば、私はそちらに入らせてもらう」
セシル(P)「だ…だったら僕もそうしようかな…。
ローザに変な疑いかけられるのも嫌だし…」
セシルは鼻血ブーなフリオニールを看病しつつ、そう答える一方で、そんな二人の様子はまるで夫婦のようだ。
(どっちが奥さんでどっちが旦那って言ったら、ねえ?)

スコール「…俺は一人で入らせてもらう」
ティーダ「せっかくの温泉旅行で一人でかよっ?!」
ジタン「…何もそこまで無理して孤高を貫かなくてもいいんじゃね?」
スコール「…後々面倒なことにもなりかねない。
それに一人の方が好きなように使えるからな。
ただそれだけだ」
ジタン「――あ、そっか。
そういうことね」
スコールにも彼女がいることを知っているジタンは、それがセシルと同じ理由であることを察し、そう頷いてみせる。
ティーダ「一人で好きなようにって…それってまさか温泉で泳いだりってことッスか?」
スコール「お前の思考回路と一緒にするな」
ティーダ「ひっでー!
そこまではっきり言わなくてもいいじゃんかよっ。
――で、玉ねぎはどーすんだ?」
オニオン「ぼ…僕は…えっと…。
っていうか、玉ねぎじゃないから!」
――ティナと一緒に入れるものなら入ってみたいけれど、いやいや、そうなると思考回路がバッツとほぼ変わらない感じになってそれもいやだし、かといってティナのあられもない姿をバッツたちに見せるのなんて、絶対に言語道断だ。
お調子者のバッツのことだし、リエールやティファだけじゃなく、ティナにもきっと手出しするのは目に見えている。
ティナも天然なところがあるし――
オニオン「あああーっ!!
僕はいったいどうすればいいんだー?!」
オニオンもまたそう究極の選択に頭を悩ませる傍ら。
フリオニール「…バ、バッツ!
リエールの裸みようったって、そうはいかないからなっ!
お前の魂胆なんてすぐにわかるっ!!」
バッツ「な…っ!
俺は別にそんなつもりなんて、これぽっちもないって!!」
フリオニール「いいや、俺が阻止してみせる!
この先に行きたいなら俺を超えてからにしろ!」
バッツ「――ああ、それも楽しそうだな!」
フリオニールがセシルの看病の甲斐あって何とか復活し、彼とバッツがそれぞれ臨戦態勢に構える中。
クラウド「どうせ戦るなら、店が壊れるから外で戦ってくれないか…」

――リエールがセフィロス・コピーのシェイドと出逢い、シェイドを巡ってタークス&ルーファウスらと一悶着あった後。
リエールはセフィロスとなったシェイドを倒し、その悲しい戦いを乗り越えてからは再びフリオニールと交際している。
フリオニールは恋人という立場からして絶対有利な反面、リエールたちの入浴姿など日常でまず見られない彼らにとっては死活問題であるのはいうまでもない。
ジタン「なあ、クラウドはどーすんだ?」
クラウド「俺は…ちょっと考えさせてくれ」
そしてまた、クラウドも悩んでいた。
ティファに混浴だと告げたら、下心丸見えなのも明白だし、もしかしたら最悪の場合一緒に来てくれない可能性だってあり得る。
だけど彼女の幼馴染として、バッツが用意してくれたこの絶好の機会をみすみす見逃すわけにもいくまい。

バッツ「(ふッふッふッ…。
皆盛り上がってきてるみたいだし、俺は隙を見てリエールと…ぐふふふのふvvv)」

――そんなこんなで、ティファとティナには温泉が混浴であることは伏せられたまま、ついに迎えた待望の温泉旅行当日。
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