Story of Girl's Side 2nd Kiss
□Destiny001.新たなる星々の覚醒
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※ ※ ※
――ここはどこだ?
辺りは一面濃い白い霧に包まれ、何も見えない。
――一体ここは…。
何故自分はこんなところに…。
が、答えなど返ってくるわけがないそんな質疑を繰り返しながら、『彼』は、おそるおそる白霧の中を彷徨う。
そしてわけがわからないまま、しばらくあてもなくその霧の中を歩き続けていると、霧の奥遠くから、『彼』の名を呼ぶ声が聞こえた。
…………。
………………!
――俺を呼んでいるのか?
霧の彼方から、何者かの人影が浮かぶ。
しかし濃い霧に覆われたその姿は、はっきりとよく見えない。
戸惑う『彼』に構わず、霧の中の人影は告げた。
『――目覚めよ。
聖なる星の守護を受け継ぎし、その輝きを持つ者たちよ。
時はきたれり……。
今こそ、運命変革の時――
新たなる、星々の戦いの始まりなり……!』
――!!
その声に『彼』がふと後ろを振り向いた瞬間、目の前にはこちらへと押し寄せる津波と、無残な石の残骸と化した多くのビルの跡地に囲まれた、荒れ果てた荒野が果てしなく広がっていて。
そして、『彼』がその恐ろしい光景に酷く戸惑い――一体何がおきたのか――
そう自問自答する中で、そんな変わり果てた荒んだ灰色の現実と『彼』をただじっと見下ろすかのように、その残骸の柱の頂上に謎の人物が君臨している。
――だれだ?
『彼』はそう問いかけてみたが、しかしながらその謎の人物は陽光を背にただじっと佇み、沈黙の中何も答えようとはしない。
しかもその逆光のせいで、姿はよく見えないときている。
その謎の人影と対峙する中。
――…まさか、お前は――!
それから『彼』が再び言葉をつむごうとした、その時だった。
※ ※ ※
早朝――AM6:30.
それぞれの家の、ベッドの上ではっと目を覚ます志波・針谷・クリス・氷上たち。
――今の夢は……!
また…いつもと同じあの『夢』……。
実はここ数日間、立て続けにこうして目が覚めては額を押さえ、夢に近しい記憶をたどるが、まるでもやがかかったかのように今ひとつはっきりと思い出せないでいる。
――一体、この謎の夢が告げる真のメッセージは何なのか。
そんな不安を後押しするかのように、刻一刻と彼らの星々を巡る邂逅と新たなる戦いが始まらんとしていることなど、今の彼らにまだ全く知る由もなかった…。
これから…彼らの運命を巡る、新たなる戦いが静かに幕を開ける――
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