Story of Girl's Side 2nd Kiss

□Destiny002.新たなる星々の覚醒A
1ページ/10ページ

※ ※ ※
――瑛が月を守護に持つ新たな守護戦士として目覚めてからの、翌日の休日。

リエーシアから昨夜の件で呼び出された瑛は彼女とはばたき駅で待ち合わせをすると、そのまま彼女の自宅マンションへと向かったのだが…。

その間にも二人の行く手を阻むように甦った雑魚魔族たちは人々を襲い、自分達にも牙をむいてきたが、それを二人で協力して一掃しながら、ようやく彼女の自宅に到着。

リエーシア「ママ、パパ!」
リエール「どうしたの、リエーシア。
そんなに慌てて…!」
佐伯「あ、あの…お邪魔します」
ロック「ああ、君がリエーシアの新たな守護戦士だな。
リエーシアから話を聞いていて、君が来るのを待ってたぜ。
…さっそくで悪いが、こっちで話したいことがある」
佐伯「は…はい」
リエール「ふふ、あなたみたいな可愛い男の子がリエーシアの守護戦士で本当によかったわ。
さあ、上がって」
佐伯「あ、はい……(照)」

そういえば、リエーシアはあの世界的大企業『ハワード・コネクション』の令嬢だということで、はね学内では知る人ぞ知る有名人だ。
そして彼女の両親もその大企業の代表取締役を務めており、かつ母親は現在も現役で活躍する、知らぬ人とはいないあの大手芸能事務所・ジャニーズ事務所に所属し、ジャニーズ界唯一の女神的存在で、タレントをやっているという話を聞いたことがあった。

それ故にまさに女神のような笑顔で出迎えてくれたリエールの絶世の美貌は完璧に整っており、豊満な胸の谷間が魅力的なセクシーなスタイルの服装・その出で立ちに、本物のリエールを初めて間近で見た佐伯は頬を仄かに紅潮させて戸惑いながらも、案内されたリビングへと向かう。

リエーシア「ママ、パパ!
街が大変なことになってるわ」
ロック「どういうことだ?」
佐伯「…実はここにくるまで、変な敵に襲われて…。
とりあえずこの妙な『力』でリエーシアに言われるままに、彼女と一緒にざっと敵を片付けてはきたんですけど…。
もう一体何がどうなっているのか…」
リエール「…そう。
…リエーシアから大筋の話は聞いていると思うけど、特にあなたはまだ戦士として目覚めたばかりだから、きっと混乱していることでしょう。
――何から何まで話しましょうか」

瑛に紅茶を差し出し、ロックの隣に腰を下ろしたリエールは、真剣な面持ちで自分達の全てを瑛に話し始めた。

自分達は遥かなる古の時代よりこの命を紡いできた、超古代王国・月の王国『シルバーミレニアム』と呼ばれる一族で、前世の時代には月の中のドーム都市に住まい、この蒼き星を外側から見守ってきたこと。

また、この星を護るため、自分達月の世界の住人は不老長寿であり、成人になると老化速度が止まり、ずっとこの若い姿を保っていられること。
それは全てこのコスモス・クリスタルの力によるものだということ。

それから自分達はこのコスモス・クリスタルの力を使って、未来の地球を統治するシルバーミレニアムの次期国王と女王であること――

そして、この過去の地球を護るために、遥か遠い未来・30世紀からやってきたということ――

そのすべてを……。

佐伯「…そ、そうだったんですか…」
…どおりでロックとリエールの姿が自分達と同じくらい若いわけだ、と彼は心の中で納得する。
佐伯「それで…どうしてはばたき市にあの妙な奴らが現れはじめたんですか?
それに、俺にどうしてこんな不思議な力が…」
ロック「…リエーシアの話だと、俺達が過去に倒した下級魔族たちが何らかの形で復活したらしい。
原因は今調査中だが――
それは全て、あの巨大な彗星が現れ始めてから起こり始めている」
リエール「…本当はこの事件について、私達の部下にして守護戦士であるV6たちにお願いするつもりでいたんだけど…」
佐伯「V6って…確か同じジャニーズのアイドルグループの…」
リエール「ええ、そうよ。
彼らはアイドルである反面、私達の守護戦士でもあって――
彼らには戦いから何から何まで、本当によく支えになってくれたわ。
…だけど今の彼らは守護戦士としての力を失っていて、辛く長い戦いから開放された今――
一人の人間として普通の生活をようやく享受できたのに、それだけに彼らを巻き込むわけにはいかないわ。
…私も戦士として戦う力をなくしてしまった以上、今はリエーシアとリエーシアの守護戦士であるあなたたちの力が必要なのよ」
佐伯「じゃあ…この不思議な力は、その敵を倒すために…」
ロック「いや…君のその力は月のプリンセス――リエーシアを、そしてこの星を護るための力だ。
この星が敵の手に落ちる前に…その守護の力で地球を救ってほしい」
リエール「…あなたは選ばれた戦士――
それは決して抗うことの出来ない、定められた運命なのよ」
佐伯「…定められた…運命…」
――夢の中の出来事を思い出す。
その夢の中に現れた、もう一人の自分自身――
それは、遥か遠い未来での、自分の姿……。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ