Story of Girl's Side 2nd Kiss

□Destiny004.オーブを探して〜ハリー編〜
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※ ※ ※
――ネパール、ラサの街。

針谷「へー、この街がラサっていう名前の街だな。
アジアンテイストが漂っていて中々イイ感じの街じゃん」
飛行機で日本から遥々やってきてウン十時間。
それまでの往復の旅費はリエールさんとロックさんが全額負担したくれたんだけどよ…その割に機内の食事はホント最悪だったぜ。
カレーはどれも辛いのばっかりだったし、ハンバーグには目玉焼き載ってねぇし…挙句の果てに寿司はわさび抜きじゃねえし。
まあ今後の面倒事考えたら武士は食わねど何とやらっつうから、渋々食ったけどさ。

一応旅費を負担してくれたそのリエーシアの両親には感謝しとかねぇとな。

……さて、そのリエールさんとロックさんの言う、佐伯を救う為のレッドオーブがこの地のどこかにあるはずだって言ってたけど…。
一体どうやって探せばいいんだ?

俺が考え込んでいた――その時。
胸元には紅い光の煌きが。
どうやらこの地のどこかに、陽のレッドオーブがあるみたいだ。

それに…この身によだつような、妙な寒気――邪悪な気配。
一体ドコからだ?

俺はその邪悪な気配を探りつつ、村を軽く散策してみる。
針谷「いや…この建物からじゃねぇな…」

村人「な…なんだね?!
君は……」
針谷「あ、ああ…悪ィ。
ちいと探し物だ、気にすんな」
村人「は…はあ……」
うーん。
この村人からでもねぇし…。

あっ!
もしや――

ふとそう思った俺は村の奥にある寺院へと立ち寄った。

そうだ、この違和感――
何かおかしな雰囲気を感じる。
針谷「…ちょっと恐ぇけど…。
…はあ。
一応調べてみるか」

…これで志波がいりゃあ、ニガコク(苦手克服委員会)の日頃の特訓の成果を示す、絶好のチャンスだったのによ。

…中に入ってみれば、今も感じている邪悪な気配とは対照的に寺院内は明るく、けれどなぜか人っ子一人いやしない。
そして祭壇までたどり着くと、そこには紅いキレイな宝石が祭られていて。
針谷「これか……!
そうか、この邪悪な波動の持ち主はコイツだったんだな。
でも…どうしてこんなヘンな宝石が神聖な寺院の中にあるんだ?」
俺が一人でそうつぶくさ言っていた時だった。

僧侶「こらっ!!
そこで何をしている!!」
針谷「うおっっ?!
な、なんだよ、イキナリ脅かすんじゃねぇよ!」
僧侶「ここは立ち入り禁止だぞ!」
針谷「おいおい、ちょっと待てって。
俺は何にもしてねぇし、ちょっとこの宝石を見物してただけだっつーの。
…ま、そーいうワケだから、よ。
さーて帰らせてもらおうかな…」
…と、テキトーにごまかし、そろそろと退散しようと思ってたんだけど…。
僧侶「待て!
怪しいやつめ!
きっと我々の御神体であるゲメトゥス・ルビー穢そうとしたに違いない!
――殺すべし!!」
針谷「お…おいおい…!
なんか目付きヤバイぜ、あんたら…!」
本当に何もしてねぇのに濡れ衣着せられて、ふざけんなって言いたいのはこっちのほうだっつーの!
この寺院の修行僧と思われる集団に囲まれてしまい、奴らが俺に襲い掛かってきた!

――チッ、ここは仕方ねえ…!
さっそくリエールさんとロックさんに教えてもらったあの技を試してみるか!
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