Story of CCFF7

□Mission:003
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――ソルジャー部門の総責任者であるラザード統括から、プリンセスDの所有する『幻の秘宝』の確認・及び回収を命じられたリエール、セフィロスたち。
その秘宝の世界初公開がされる今夜の晩餐会へと潜入するため、本日夕刻、彼ら4人はミッドガル上層プレートにある、とあるブティックへと訪れていた。
店員「いらっしゃいませ…こ、これはセフィロス様にリエール様、それにジェネシス様とアンジール様ではいらっしゃいませんか。
本日はどのようなご用件でございますか?」
セフィロス「…ラザード統括から特別休暇をもらってな。
これから4人で某国家元首のパーティに招待されているので、それに相応しい服を見立てて欲しい」
店員「かしこまりました。
では、まずどちら様から…?」
セフィロス「リエールから頼む」
リエール「あ、あの…宜しくお願いします」

――それから店員から一着のドレスを渡され、リエールが着替える一方、男たちもそれぞれ適当なスーツを選んで着替える中。
一足先に着替えを終えた彼らがリエールの登場を今か今かと待ちわびていると。
リエール「(…思ったよりドレスって着にくいし、重いのね…。
これでどーやって戦えっていうのよ)」
…彼女がぐちぐち言いながらも着替えを済ませ、カーテンをゆっくり開ける。
その瞬間、男たちの目が大きく見開き、彼らはリエールの美しき変身振りに息を呑んだのだった。
アンジール「おお……!」
ジェネシス「なるほど…服の印象でこうまで変わる、というわけか。
…美しい」
セフィロス「リエール…」
リエール「えっと、その…どうかな…」
着慣れないドレスのせいか、緊張しているリエールが頬を赤らめながら仲間に尋ねる。
ちなみに彼女が現在着ているのは、華やかにスパンコールが随所に散りばめられた薄い水色のエレガントタイプのパーティドレス。
リエール「(うわ…黒の燕尾服のセフィロス…めっちゃくちゃ…カッコイイ……。
まるでどこかの貴族か王子様みたい…)」
愛する人の滅多に見られない正装に、リエールの鼓動はこの瞬間からずっと高鳴りっぱなしだ。
セフィロス「…美しい、リエール。
よく似合っている。
流石一王国出身の元プリンセスだけのことはあるな」
リエール「そんな…セフィロスの方こそ…スッゴク素敵よ。
でも…ごめんなさい…。
王国の事は…あまり言葉にして欲しくないの」
セフィロス「…それはすまなかった。
だが、この言葉に偽りはない」
リエール「セフィロス…」
セフィロスが優しく、そして愛おしく目の前の最愛のプリンセスを抱きしめる。
アンジール「これはリエールが嫁に行く日が楽しみだな」
ジェネシス「…だが、任務だということは忘れないでいてくれよ。
――それよりもリエール、こっちの紅いドレスなんてどうかな。
お前の美しさをより際立たせることができるだろう」
リエール「え…ええ、でも、このドレスだと少し過激…じゃない?
なんか胸元もかなりあいてるみたいだし…」
ジェネシス「まだ晩餐会開始まで時間はある。
似合うか似合わないかは俺が決める。
さあ早く」
リエール「ええ…わかったわ」
ジェネシスからそのセクシータイプと思しきドレスを受け取り、再び試着室で着替えるリエール。
――そしてその紅いドレスを試着した彼女がカーテンをあけて見せると。
リエール「な…なんかスッゴイ妙な視線を感じるんだけど…」
アンジール「(おいおい…あの胸の谷間は反則だろう…!
…少し嬉しかったりもするが)」
セフィロス「(…アンジール)」
アンジール「(そう怖い顔すんなって。
冗談だよ)」
セフィロス「(だが、何故か解せんな…)」
二人がそうひそひそと会話する一方、仲間の妙な視線を受けながら戸惑うリエールの前にジェネシスは即やってくると、彼女の手を握り締め、熱いまなざしで今の想いを伝え始めた。
ジェネシス「やはりお前にはそのドレスが最も相応しい。
お前の魅力が完全に表現されている。
…とても美しい。
今夜是非そのドレスで俺と共に踊って欲しい」
リエール「あのえーっと、その…一応褒めてくれてありがとう、ジェネシス…」
ジェネシス「それじゃあ…決まりだな」
セフィロス「勝手に決めるな。
そんな如何わしいもの、リエールに着せられるか。
リエール、こっちの白いドレスにしろ。
先輩としての命令だ」
リエール「で、でも…」
ジェネシス「…セフィロス、職権乱用は頂けないな」
セフィロス「リエールの趣味・服装・好みを一番理解しているのは俺自身だ。
たとえ親友のお前であろうとも、誰にも口出しはさせない」
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