Story of CCFF7

□Mission:004
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――少女の思わぬ襲撃に騒然となり、混乱をきたす大使館の中で。
リエール「(落ちる――!!)」
少女に振り払われ、彼女の体がバルコニーへと投げ出され――!
ジェネシス「――リエール!!」
リエール「ジェネシス!!」
するとそれを見たジェネシスが真っ先にバルコニーへと走り出し、危険も顧みずにその身を乗り出すと、落ちかけるリエールの手をがしっと掴んだ。
ジェネシス「リ、リエール…っ!!」
リエール「ジェ…ジェネシス!」
間一髪の所で彼に助けられ、宙ぶらりになるリエールの体。
その瞬間、ジェネシスの体ががくんと大きく前へとのめり込む。
ジェネシス「ぐっ…!!」
リエール「ジェ…ジェネシス…放して!
あなたまで落ちちゃう…!!」
ジェネシス「手放すわけがないだろう…っ!
やっと掴んだ女神の手を――」
リエール「ジェネシス……!」
歯を食いしばり、懸命にリエールの手首を掴むジェネシスだったが、無理な体勢でなおかつ腕一本でリエールの全てを支えているため、駆け巡る痺れが容赦なく彼の力を奪っていく。
しかもここは7階のバルコニー、もしジェネシスがリエールの腕を放したその時、ソルジャーの彼女といえども無事では済まされない。

ジェネシス「く……!」
リエール「ジェネシス…!」
彼女を掴む手がしびれてくる。

――このままじゃ、確実に二人とも落ちてしまう――!!
リエールの体が大きくガクンとおちて、二人が重力に地面へと引き寄せられ、そう思った瞬間だった。

バサ…!!

リエール「え…?!
く…黒い…翼…?!」

なんとジェネシスの背中に広がったのは片翼の黒い翼――!

リエール「ジェネ…シス…?!」
ジェネシス「…動くな。
このまま――」
ジェネシスは驚いて動揺するリエールのことを落ち着かせるように優しく抱きしめると、そのまま漆黒の翼をはばたかせながら、ゆっくりと地面へと舞い降りた。
ジェネシス「…よかったな。
お気に入りのドレスが血染めにならなくて」
リエール「あ、ありがとう…ジェネシス。
でも、その翼――」
ジェネシス「…話はあとだ。
まずはあの子供を捕まえることが先決だ」
ふとそうやってジェネシスの視線の先を見てみれば、そこには凧らしきもので空を舞い、逃走する少女の姿が。
リエール「ああっ!!
いつの間に!
っていうかセフィロスたち何やってるのよ!」
ジェネシス「どうやらあれが本体で、上にいたのは囮の偽者のようだな」
リエール「ええーっ?!
ったく、よくも貴重な晩餐会ぶち壊しにしてくれたわね!
――召還、ホワイト・ドラゴン!!」

Wドラゴン「キィィィィ…!!」

リエール「ホワイトドラゴン、あの凧を打ち落としなさい!」
彼女の声により召還された白き聖竜は、少女の乗る凧を追いかけ、
口から白き閃光を発射。
その閃光弾は凧で空を飛ぶ少女をホーミングし、
ユフィ「うわわっ!
ヤバイよっって…きゃあああっ!」
閃光弾を受けた凧は爆炎により派手に燃え上がり、逃走の手立てを失った少女は草むらに落っこちたのだった。
ユフィ「いった〜い…!」
そこへ逃げる間もなくリエールとジェネシスが駆けつけ――
リエール「さあ、逃げ場はないわよ!
大人しく秘宝を渡して観念しなさい!」
ジェネシス「お遊びが少々過ぎたようだな」
ユフィ「…………」
少女は悔しそうにしばらくの間二人を睨(ね)めつけたのち。
ユフィ「…あんたたちにマテリア渡してこの星が壊れるくらいなら渡さないわ」
リエール「…どういうこと?
その秘宝の中身、マテリアなの?」
ユフィ「…わからない。
中身はまだ見てない」
リエール「じゃあ、こうしない?
もしこの中身がマテリアだったらそのうちの1つだけあなたにこっそりあげる。
もしマテリアじゃなかったら…その秘宝、返してくれる?」
ユフィ「本当に?」
ジェネシス「…まて、リエール。
それでは任務の完遂にはならないだろう。
俺たちの目的は秘宝の中身を確認し、マテリアならばそれを回収することだ。
それをこんな子供に安っぽく上げてしまっていいのか?」
リエール「…さっきの彼女の言葉を聞いてぴんと思ったんだけど…
彼女の言う通りだって思ったの。
正直言って私も最近の神羅カンパニーの威圧的なやり方には少し疑問を感じているの。
なんか会社の言いなりにただ任務こなすのもちょっと飽きてきたし、たまにはこう、一泡吹かせてみたいっていうのかしら。
それに『すべて』を回収しろとは言われてないしね。
勿論、今回の任務失敗につては私が全責任を取るわ」
ジェネシス「…ふ、とんだお人よしだな。
そこはアンジールとよく似ている」
リエール「そう?
ま、そんなわけだから、おねーさんと一緒に一足先に中身ちょっとだけ見てみようか」
ユフィ「…うん、わかった」
宝箱を地面へと置き、その鍵穴へと鍵を差し込んでおそるおそる箱を開ける少女。
ユフィ「ちょっとコレ…!」
リエール「げっ(滝汗)!」
ジェネシス「これは…!」
――さあ果たして、そんな謎の声をこぼしたリエールたちが見た、その秘宝の正体とその全貌とは――?

…とそこへ、顔色を変えたアンジールがやってきて、リエールはその宝箱を慌てて閉じた。
アンジール「――リエール!!」
リエール「アンジール!」
アンジール「ジェネシス、お前もリエールと一緒だったのか。
確かリエールと一緒にバルコニーから落ちたはずじゃあ…」
ジェネシス「アンジール、俺たちはソルジャーだぞ?
あの程度の高さから落ちてあっさり死ぬようじゃ、その名が廃る」
アンジール「…そうか。
ん?その子供は…!」
リエール「大丈夫、秘宝はちゃんと返してもらったから。
子供のした事だもの、咎めたって仕方がないわ。
それよりどうしたの?」
アンジール「ああ、そうだ。
プリンセスDなんだが…!!」
リエール「え……?!」
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