Story of ACFF7

□Story:004
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PM20:00、忘らるる都。

辺りは暗い夜の闇に包まれ、白い光を放つ不思議な木々が周囲を照らし出す中。

カダージュ「『兄さん』が隠してたんだ…。
ライフストリームから生まれた力――
このマテリアで、僕らも新たな力を…!」
マリンとともに奪ってきたアタッシュケースから1つのマテリアを取り出すと、カダージュはそれを自らの左腕にはめ込んだ。
その腕から沸き立つ、不気味なまでの黒い邪気。
カダージュ「ふふふ…」


※ ※ ※
――同じ頃のセヴンスヘブン。
クラウドが、窓から曇った夜空を見つめていると、ようやく意識を取り戻したティファが目を覚まし、起き出したのだった。
ティファ「う…」
すこしぼんやりとした意識の中で、状況を把握しようとするティファにクラウドは無機質に言葉を投げかける。
クラウド「…レノたちが子供たちを捜している」
ティファ「…………」
――そこへ、ドアを叩く音が。
リエール「失礼。
どう、クラウド…。
あっ、ティファ起きたのね」
ティファ「リエールさん…」
リエール「ああ、話はかくかくしかじかってことなんだけど。
あったかいココア淹れたわ。
飲むでしょ?」
ティファ「…ありがとう」
リエール「はい、クラウドもどうぞ」
クラウド「…そこに置いておいてくれ」
彼に指示されたとおり、リエールはベッドの横の再度テーブルにココアを置き。
リエール「…相変わらず暗いわねー。
電気くらいつけたら?
あっ、それともこれからお楽しみだったとか…♪」
クラウド「リエールッ!!
ティファ「リエールさん!!」
リエール「や、やーねぇ。
二人してそんなコワイ顔しないでよ。
さっどーぞ、お話続けて」
クラウド「…まさかこのココア、睡眠薬入りとかじゃないだろうな」
リエール「ああっ、人が親切で淹れてあげたのに。
人権侵害ね、その言葉」
ティファ「…………」
リエールに淹れてもらったホットココアを飲みながら、ティファはそんな目の前の二人を見てふと思った。
リエール自身は、ザックスの代わりとしてクラウドの保護者役を買って出ているけど、本心としては正直どうなんだろうと。

――恋人に裏切られ、利用されて、そしてクラウドが倒してしまった、リエールのかつての恋人セフィロス。
クラウドはそのセフィロスの細胞を宿している。
クラウドに対してあそこまで世話を色々焼いてくれて、嫌な顔一つせずいつも面倒を見てくれていて―
自分も彼の幼馴染として共に支えているけれど、一緒にいられた時間はごく僅か。
9年前に彼が「ソルジャーになって帰ってくる」と村を飛び出してから、神羅での彼の素顔はリエールしか知らない。

リエールは、2年前のジェノバ戦役でセフィロスと戦ったとき、凄く辛かったに違いない。
…自らのこの手で、かつての恋人を殺めなければならなかったのだから。
そうしなければ、この星を救うことなど、決してできなかったはずだから…。
それでもその愚痴を自分たちの前では何一つ吐くことなく、明るく前向きに生きている。

本当はすごく辛くて悲しいはずなのに、一体何が彼女をそうさせているのだろう。

クラウドがセフィロスの片鱗を持っているから?
亡き後輩であり友だった、ザックスの遺志を受け継いだから…?

いいや、きっとそれだけではないはず――

今の今までだってずっとクラウドと行動を共にしていて……ティファは、それが唯一許されているリエールの事を、少し羨ましくも思ったりしたが――

だけど、今では違う。
今ならこんなにも近くにいるのだから、自分にだって助けることはできるはず。

今もためらっているクラウドを、どうすれば前に進めさせてあげることができる?

ティファはふと、リエールと話していたクラウドに言葉を投げかけた。
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