長編小説
□空を見上げれば…
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宗弥と響。2人は打ち解け、会話も弾みだしていた。
その時、突然の雨が街を襲う。
「やだ…雨なんて、めったに降らないのに」
響が呟くと宗弥が立ち上がり、響に手を差し出した。
宗弥の手を取ると、響を引っ張る様にして、宗弥が走り出す。
雨宿り出来る場所にバラバラと他の人々も集まり初めていたが、宗弥は、雨宿り出来そうな場所には見向きもせずに、ただただ真っ直ぐに走り続けた。
「ねぇ、どこまで行くの?」
雨宿りもせずに走り続ける宗弥に、少し大きな声で、響は問いかけた。
しかし、宗弥は答えずに、走り続けるだけだった。