☆小説2☆
□☆チケット☆
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今日は11月10日。
明日は《恋人》になって初めて迎えるゾロの誕生日。
「プレゼントかぁ…」
この前停泊した街では、そんな事考えもしなかった。
「どうしよう…」
ナミはテーブルに頬杖をつき思案していた。
とにかく、街に着かない事には『物』をあげる事は不可能だ。
「物じゃないとすると……///」
不意に『私』という考えが頭に浮かんでナミは赤面した。
(確かに、ゾロとはまだキスしかしてないけど…でも…)
「オイ…さっきから何百面相してんだ?」
欠伸をしながらゾロが向かいの椅子に座った。
「ゾロ!寝てたんじゃなかったの?」
ナミの顔が益々紅くなる。
「いや…寝てたけどよ。何だかブツブツ聞こえたから目ぇ覚めた」
ニッと笑うと、ナミの飲みかけの紅茶に手を伸す。
「起きてるなら声掛ければいいじゃないっ。もう…」
照れながら頬を膨らませるナミの頭をポンポンと叩くと、
「面白かったからな。」
と笑いながら行ってしまった。
「もう…人の気も知らないで…」
ため息をつきながらふと目についた雑誌の1ページ。
「これだ♪」
何か閃いたのか、ナミは女部屋へ向かった。