過去版・妄想小説3*

□●桜花 oh-ka●
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●桜花 oh-ka●



 今年も、桜の花が咲いた。

 連れて行って欲しいというラクスにせかされ、内心嬉しくて仕方が無くて。
 目の前を、追い抜けてしまえるスピードで精一杯かけていく背中を見つめて。
 愛しさに、満ち溢れる。

「・・・・・・・・・・キレイ、ですね。」

 草原にただ一本たたずむ桜の木。
 樹齢を帯びたそれは、瞳を掠めるほど桃色に花びらを染めていて。


「ええ・・・・・、本当に。」


 ラクスの髪の色と、とても似ている。
 ラクスの髪が、ひらりと俺の頬を掠めた。

                  
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