過去版・妄想小説3*
□●桜花 oh-ka●
1ページ/7ページ
●桜花 oh-ka●
今年も、桜の花が咲いた。
連れて行って欲しいというラクスにせかされ、内心嬉しくて仕方が無くて。
目の前を、追い抜けてしまえるスピードで精一杯かけていく背中を見つめて。
愛しさに、満ち溢れる。
「・・・・・・・・・・キレイ、ですね。」
草原にただ一本たたずむ桜の木。
樹齢を帯びたそれは、瞳を掠めるほど桃色に花びらを染めていて。
「ええ・・・・・、本当に。」
ラクスの髪の色と、とても似ている。
ラクスの髪が、ひらりと俺の頬を掠めた。