過去版・妄想小説5*
□●お帰りの場所●
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今思えば、寂しい思いをしてきたのはいつだって彼女だけだったのかもしれない。
彼女は、たびたびアスランを尋ねて来たりはしたけれど。いつだって了承を取らなくては会うことも出来なかったし、彼女はどんなことにだって気を遣う性格なのだ。ほいほいと出かけていって、顔を見たくなれば連絡を取る・・・なんてこと、しないのだろう。
だからこそ、もっと俺が逢いに行けたらよかったのに。
逢いに行かなくちゃいけなかったのに。
「迷惑」「気を遣う」「遠慮」
そんな理由ばかりに捕らわれて、全てを見ていなかったから。
婚約者同士だったとき、彼女はあの広い家でずっと俺を待っていたのだろうか。
最後の戦闘のとき、彼女はエターナルを指揮する中でずっと震えていたのだろうか。
強がりの背中が、頭の中に蘇る。
「俺の・・・・・・・・・・馬鹿・・・・・・・!」
俺は、強く唇をかんで、ディスクに頭を伏せた。