過去版・妄想小説5*
□●お帰りの場所●
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ラクスは、朝早く家を出ると聴いた。
『アスランにもお仕事があるのです。寝ていてくださいな。』
夜、寝る前に再度挨拶にきたラクスには、ええ。と曖昧に返事をしたけれど。
セットしたアラームに、今朝は早く気づくことができた。
「ラクス。」
「・・・・・・・・・アスラン?!」
未だ白い光はブルーグレーにかすむ朝方、明かりがついた玄関先に向かう。そこにはすっかり仕事に向かおうとするラクスが、迎えを待っているところだった。もう着替えてしまっている俺の姿を見て、ラクスは心底驚いたように目を見張っている。
「どうかなさったのですか・・・・・?」
「いいえ。ただ・・・・・俺が、当然の事を言い忘れていただけの事なんです。」
俺は、ラクスの肩に手を伸ばした。