過去版・妄想小説5*

□●お帰りの場所●
6ページ/8ページ



 いってらっしゃい。


 それは、誰かを突き放す為の言葉じゃない。
 それは、愛しい人に向ける小さなメッセージを込めた言葉。


「ラクスが帰ってくるのを・・・・・・・・待っています。」



 俺が、ここで。
 俺が、貴方を待ち望んでいることを。


 寂しいという本音を、送り出すという言葉で例えたのが、その一言。


 そう告げると、ラクスは小さな腕を精一杯伸ばし、俺の首筋に抱きついて。
 泣きそうに滲んだ声で、ささやいた。




「ええ・・・・・・・・行ってまいりますわ・・・・・。」

           
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ