過去版・妄想小説4*
□●星はざま*月はざま●
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●星はざま*月はざま●
カーテンを、引くのを忘れていたんだろう。
真夜中、月明かりで眠りの浅い僕の意識が起こされる。
隣には、ラクスが小さな寝息を立てて眠っている。
ガラス窓の向こう、柔らかな月明かりがしんしんと身に降りかかる。月明かりと、部屋の暗闇から作り出されるシルエットは、えも言われない位に美しい。
シーツの波。
ラクスの髪をさらりと撫でて。
それが、目の前に広がる海と同じような感覚に陥る。
波音を聴きながら、月を眺め、星を眺める。
・・・・・・・・・夜が溢れて、僕を静かに奮い起こす。
ラクスへと溢れる愛おしさが、たったひとり目覚めた僕を絡め取る。