過去版・妄想小説4*

□●春色前線●
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●春色前線●



 春が、来る。
 柔らかい風と、桜色の花びらが舞う。
 
 どんなに辛く、酷い年でも桜は降り続いてた。
 それがあまりにも美しくて、僕は瞳をそらしていたこともあった。


 けれど、とにかく春が来る。


 今年は、きっと瞳を逸らさない。
 見つめていくたびに、この視界を桜色に染めていく。


 春が、来る。

           
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