過去版・妄想小説1*

□●DEAR●
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●DEAR●


 キラは私の弟で。
 アスランは・・・・・彼氏で。
 どちらだって大切で、かけがえのない存在で。
 でも時々、どうしたらいいのか分からなくなる。

「キラ?!お前、どうしたんだその目!!」
「おはよ・・・・・・・・ぅん?」
 まだ眠りから覚めていないキラ。
弟は、とっくに目覚めて朝の散歩までした、私の問いの意味を理解していない。
キラの目が、驚くほど赤くなっていた。痛みはないみたいだが、どうしたって驚いてしまう。
「何か病気か・・・・・?!」
 眠さから目を擦ろうとするキラを無理やり止める。
「カガリ、大丈夫だよ。」
「・・・・・・・・アスラン?」
 不意に、アスランに肩を叩かれ、心臓が跳ね上がる。キラの顔を覗きこんだアスランは、困ったように微笑み、キラの頭を小突いた。
「どうせ遅くまで起きてたんだろ。目薬あるから挿せな?」
「んー・・・・・・・・・・。」
「大丈夫なのか?キラ。」
「はは。そう心配しなくてもいいよ。キラは、集中すると朝も夜も関係なくなるし。」
 アスランは、救急箱を探りながら

「昔から、何も変わってないよな。」

 表情が優しく緩んで見えたアスラン。
 そんなことないよと言って、眉をひそめるキラ。
 何でもない出来事。

 でも、そこには2人にしかない場所と空気がある。
 私には入り込めないような、長い年月が作り上げたもの。
 戦争が終わって、さらに感じるようになった。
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