過去版・妄想小説2*
□●Flower●
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●Flower●
慰霊碑なんか建てたって。
どれほどの涙を流したって。
結局みんなダメにしてしまうんだ。
どうしようもないのは分かってるけど。
それでも、心は理解できない。
「結局植えた花たちも、吹き飛ばされてしまうんだ。」
見ず知らずの人に、そんなことを言って。
とめなきゃいけない言葉は、止まらなかった。
千切れた腕、飛び散った血しぶき、つぶれた肉塊。ついさっきまで生きていた大切な人が、一瞬にしてグロテスクなモノへと成り下がる。愛しいと思っていた姿形が消え、あっという間に吐き気さえ促すモノになる。
思いはひたすら続き、自分の心を押しつぶす。
姿が消えてしまって、言葉も、声も聞けなくなって。
思いだけが自分の心を締め付け、悲しみだけに支配される。