過去版・妄想小説3*
□●Doll●
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●Doll●
俺の腕の中で、踊ってください。
永遠に、永遠を俺の中で過ごしてください。
美しい、人形のように。
誰にでも愛される、歌姫。
愛らしい笑顔をたたえ、決して涙は見せない。
桜色の髪を揺らし、音に合わせて踊って。
・・・・・・・・・・・ラクスは、そんな、美しい人で。
「ラクス・・・・・・・・・・?」
「アスラン。お部屋、入ってもよろしいですか?」
「あ、え、ええ。・・・・・どう、ぞ。」
「お邪魔しますわ。」
読書にふけりだした深夜近く、柔らかなノックから扉が開かれた。
ラクスが、その手に宝石箱のようなものを抱えて、薄暗い廊下に立っていた。何かあったんじゃなさそうだと安心しながらも、俺の部屋にラクスが入ることに動揺を上手く隠せなかった。ラクスは静かに扉を閉めると、アスランの元に近寄り、手にしていたものを差し出した。