BLEACH

□ある日常のあるひとコマ。
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「らーんぎくっv」
「きゃあぁっ」

執務室で一人、書類整理をしていた時の事。
開いた窓から風と共に入り込んだのは、昔からの顔馴染みの男。
普段から掴み所のない奴なのだが、最近また更にわからなくなった様に思える。
(まぁ…どうせ聞いた所で答えないでしょうけど。)
その男は今背後の窓から入りこみ、抱きついて来ている。

「…市丸隊長…放して戴けますか。」
「えぇ〜何で?」
「書類が書けません」
「そんなん後でしぃや」
「それは出来ません」
「むー…ランの意地悪」
「意地悪じゃありませんっ」
「わがまま言う子はお仕置きやで?」


「ちょっと!…嫌ですっ!……やめて下さいってば!」
「えぇやないのv誰も来てへんってv」
不意に指先で背中を辿ったり、腹部をくすぐってきた。

…そう昔からの知り合いのこの男は知っているのだ。
あたしがくすぐったがりって。
っていうか、コレってセクハラじゃない?
訴えてやりたいけど、それはそれで違う問題が…あぁ、頭痛い……



「ぃ…嫌っ…嫌ですって」
あたしの嫌がる様子でこの男が楽しんでるのはわかるのだけど、それでもコレしか拒む術はなくて…

「失礼します」
そこに入って来てくれたのは九番隊の副隊長の
「ひっ…檜佐木…」
そう、檜佐木修兵。彼と背後の男の間で妙な空気が流れている様な気が……
「うちの隊に混じってたんです、この書類。急ぎの物だった様なのでお持ちしたんですが…」
「ぁ…ありがとう、言ってくれれば取りに行ったのに(…怖いっ…仕事しないで遊んでるとか思われてるのかしら…あたし…)」
「いえ…。所で市丸隊長は此方で何を?」
「…ちょっと…な」





ギンが去ってから、あたしはため息を一つついた。
これまでの時間がすごく長く感じた。

「ありがとう、檜佐木」
「どういたしまして」
そう言って笑った檜佐木の顔がすごく優しげだったから
怒ってる訳じゃないんだなって、安心した…


さぁ…また書類やらなきゃ。
これがあたしのある日常だから。
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