BLEACH

□どうしようもないくらい。
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わかっていない訳など、無い。




ずっと、わかっていた事だ。






あの人の特別になどなれる訳が無い事なんて。









それなのに。


「どうした、ルキア?」


小高い丘の上で、落ちる夕日に視線を注いでいる私に、海燕殿が声をかける。

「…何でも、ありません」

そう、本当にどうもしていない。


ただ、その場にいたのは、ただ目に映った夕日が壮大で綺麗だったから。



真っ赤に染まる太陽は大きくて暖かくて。
あの近くに、あの中にいけたら、小さな冷え切った心は温かくなるのかとか、どうしようもない取り留めの無い事を考えていただけ。




「…お前は、放っておくとどっかにいっちまいそうな奴だな」


「…は・・?」



「…お前はな、自分で思ってるほど一人じゃねぇよ。冷たくもねぇ。」


嗚呼、どうしてこの人は。



「みんなお前の味方だぞ…少なくとも、俺はずっとお前の味方だからな」



大きな掌で頭をぐしゃぐしゃと撫でながら海燕殿が言う。



嗚呼、どうしてこの人は。







一番欲しい言葉をこんなに簡単にくれるんだろう。







どうして こんなにも。



どうしようもないくらいに。




この人が好きなんだろう。




報われる事など無いとわかっているのに。


どうして、どうしようもないくらいに。



愛しく感じてしまうんだろう??








わからない事の中に一つだけわかる事。



どうしようもないくらい、この人が好き。






END
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