Seyn―詩の部屋―

▼書込み 

10/15(Mon) 18:47
暗さと重さと自意識
人力飛行機

昔 或る才人にこう言われたことがある
「あなたは全部はったりだ」と。
そのときはムッとしたが、今考えると当たっていると思える。
しかし、私にあった困難は、私には視えてはいなかった。
私の世界は、私には近すぎる故、私には視えない。
そのことを私はハイデッガーから教わった。
しかし、私にあった世界を今見つめ直すと、
私の困難は私を押し潰さなかったのが不思議で、
私の本当の真価は、
私の世界に私が押し潰されなかったことにある。

私とは、私への否定的自意識に等しかった。
その否定的自意識は、私に重なるが故に
私には視えてはいなくて
ただ 私の世界が 私にとって何故にこうまで否定的で、
私を肯定しないのか
そのことの理屈抜きの暗さが
それこそが私だった。

そのことにまつわる果てしない暗さと重さは
才人には伝えようもなく、その凄惨さに比べれば
才人の文学的感性など幸せにもみえる。

人の持って生まれた悲惨さ凄惨さ。
伝える術もない苦しい運命。
ただ変えようもない自意識が、それが私なのだった。

三島由紀夫の死にもまたその問題はあるに違いない。

2018.10.15

☆の付いている部分は必須項目です。

名前

題名

メッセージ
1,000文字まで

あなたのフォレストID

あなたのパスワード

リンク

削除pass

文字の色



アイコン


画像認証
不正な書込みを防ぐために行います。下の画像に5桁の文字が書いてありますので、その文字を半角英数字で入力してください。文字が読みにくいときはで画像が変わります。

文字入力:

投稿規約をご確認のうえ、同意する

※投稿規約をお読み頂き「同意する」にチェック入れて送信して下さい



[戻る]



©フォレストページ