ミルクコーヒー2杯目。

□ある秋の二人
1ページ/1ページ

「秋だな」
宍戸さんは空を見上げながらつぶやいた
「秋ですね〜もう朝夕は寒いくらいですよね」
「だな」
「去年もこんな会話しましたね」
「月日が経つのは早いな」
「なんか俺たち長年つれそった老夫婦みたいですね」
「そうだな」
「おじいさんになっても一緒にいましょうね」
「当たり前だろ」
宍戸さんは少しはにかむように笑った
つられて俺も笑った
きっとこの笑顔は年を取っても変わらずにあたたかいままで俺の心に明かりをともすんだ
おじいさんになっても俺の隣には宍戸さんがいて同じように空を見上げてるんだ

「少し冷えてきたな」
宍戸さんが少し歩きだして俺を振り返った
「コーヒーかってかえりましょうか?」
「おまえのおごりな」
「え〜」
こうやって二人笑いあって何十年先もずっと一緒に
俺に暖かい明かりをともしてくださいね
「長太郎おいてくぞ!」
宍戸さんに駆け寄って手をつないだ
何十年先もずっとこのまま

おわり

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ